芸能界の重鎮・ビートたけしが「オフィス北野」から独立して約1年。今年2月に生出演したラジオ番組では「いいね。
「正月にスポーツニッポンが、“たけし離婚調停”とスクープを報じたことに激怒したたけしは、自ら弁護士を通じて『事実無根』と抗議しました。その報道から4日後、愛人Fに気を使って、レギュラー番組内で『(離婚)調停なんか終わっているよ、バカヤロー! あとは判を押すだけ』とうそぶいていましたが、その後、女性誌の直撃を受けた幹子夫人には『その人(F)が自分の思うような展開になると思ってんじゃないですか?』と見透かされた。嘘がバレたうえ、幹子夫人の“愛人とは絶対、再婚させない”という強い意志が伝わってきて、たけしはいら立ってますよ」(元事務所関係者)
他方、たけしに本妻との離婚を迫るF女史も、離婚がなかなか成立しないイライラの矛先を気に入らないスタッフに向け、次々とクビにしているという。
「気分次第でマネジャーをクビにするから、事務所は“そして誰もいなくなった”状態。
たけしの独立騒動の発端は、「T.Nゴン」の役員に納まった愛人F女史vsオフィス北野の対立だったのだが、たけし軍団が当時のオフィス北野社長・森昌行氏の経営責任を追及したことで、軍団vs森氏の対立にすり替わってしまった。
「『週刊新潮』(新潮社)に“愛人F女史に洗脳されている”と報じられ激怒したたけしが、愛人スキャンダルを経営問題にすり替えるために軍団をけしかけて、森氏を追及させたんです。ところが、森氏の返り討ちに遭った。たけしの思惑は外れたんです」(週刊誌記者)
その後、騒動は沈静化したが、たけしがF女史の言いなりになったことで、次々と“犠牲者”が出たことはあまり知られていない。
「F女史にスカウトされたイタリアンレストランのスタッフは、マネジャーとして雇われたにもかかわらず、毎日朝8時から愛犬ゴンの散歩をさせられるなど、使用人扱いされたうえ、パワハラを受けて辞めていった。ほかにも、何人もがF女史に嫌気が差して退社していきましたよ」(元マネジャー)
F女史のパワハラ被害に遭ったのは、スタッフだけではない。
「今年1月には、30年近くたけしのスタリストを務めていた女性が、突如F女史から契約解除を言い渡されたんです。あまりにも理不尽なので、マネジャーK氏がF女史を説得して、本来の契約が切れる3月いっぱいでの契約終了というかたちをとった。最近、たけしの衣装がチグハグでダサく見えるのは、そのためですよ」(バラエティ番組スタッフ)
さらに3月に入ると、オフィス北野からたけしについてきたマネジャーF氏が解雇された。
気に入らないスタッフを排斥していく一方で、F女史は自分の知り合いである大手百貨店グループの元社長・O氏を事務所アドバイザーとして起用。たけし利権をむさぼる新事業に着手するとみられている。
「Oだけではありませんよ。F女史とかねてから昵懇で、昨年7月に入管難民法違反容疑で逮捕された実業家のS氏とも切れてない。S氏も、たけし利権に食い込もうとしている一人です」(親しかったテレビ関係者)
一方で、事務所のきな臭い噂に加えて、高額ギャラの割には視聴率が上がらないたけしのレギュラー番組を打ち切る動きも出ている。
「たけしの金銭への執着は、以前に増して強くなった。その影響で頭を痛めているのは、印税の見直しを迫られている出版社です。たとえば、たけしと新潮社のトラブルで漁夫の利を得た文藝春秋は、昨年12月にたけしの『フランス座』を刊行しましたが、当初想定していたより高額の印税を払うことになり、頭を抱えています」(出版関係者)
たけしが稼いだ金は、F女史に管理されている。
「ギャラは事務所に入りますが、たけしが自由になる金がないなら、オフィス北野のときより、搾取されているともいえるんじゃないですか」(テレビ関係者)
オフィス北野から独立して1年、たけしが“裸の王様”状態になって、新事務所は末期状態に陥っている。
「たけしは“次回作は、久々に時代劇を撮りたい”などと公言していますが、北野作品は、オフィス北野元社長の森昌行氏という有能なプロデューサーがいたから撮れた。これは映画関係者の一致した意見です。それがわからなこと自体、“裸の王様”でしょう。それに、映画を撮ってきた北野組も解散している。
独立騒動以来、愛人に振り回され、金に執着するたけしにテレビや映画関係者は愛想を尽かして距離を置き始めているのに、たけしは妙にハイテンションだという。
「誰もたけしに進言する者はいないから、自分の行動は正しいと勘違いしているんでしょう。ピエール瀧逮捕や内田裕也さん死去に際する、最近のたけしのコメントも、トンチンカンで自分本位。“老害”では済まされませんよ」(番組関係者)
昭和から平成にかけて常に芸能界のトップを走り続けてきたビートたけし。新たな時代に入っても、このまま晩節を汚し続けていくのか……。
(文=豊島三郎)