「マトリが女優をパクッたらしい」。
マスコミ関係者の間で、こんな不穏な情報が出回ったのは、9月下旬の週末のことだった。
元KAT-TUNの田口淳之介(33)と元女優・小嶺麗奈(39)を大麻取締法違反で、コカインを使用したとしてテクノユニット「電気グルーヴ」のピエール瀧(52)を麻薬取締法違反の容疑でそれぞれ逮捕したマトリが新たにターゲットにしたとされる「女優」の名前について、さまざまな臆測が乱れ飛んだ。
「当初、名前が挙がったのは一時、“お騒がせ女優”として世間に名を知られたS。『大麻の不法所持で関東信越厚生局麻薬取締部の家宅捜索を受けたらしい』との話が広まりました。しかし、その後で、モデル出身でキャスター経験もある女優Kが浮上。さらに、海外でも活躍するモデルで女優のMらにも疑いの目が向けられ、警察担当記者や芸能マスコミが色めき立ちました」(スポーツ紙記者)
結局、この件は「ガセネタ」ということに落ち着き、真偽不明の捜査情報が大手メディアに報じられることはなかった。騒動の裏側で、一体何が起きていたのか?
「マトリが女性芸能人の誰かにガサを打ったのは間違いないようだ。ただ、違法薬物の痕跡が発見されることはなく、完全な“空振り”に終わった。どうやら、その情報が漏れて、今回の騒ぎにつながったようです」(民放の社会部記者)
実は、マトリはこれまでにも、こうした数々の失敗をやらかしているという。
「一昨年には、プロ野球人気チームの監督の息子にコカイン使用容疑で家宅捜索が入ったものの失敗に終わり、年末にはやはりコカイン使用の疑いで有名音楽プロデューサーKのマンションへの強制捜査も行ったようだが、こちらも本人の逮捕につなげることはできなかった。ピエール瀧の逮捕でようやく面目を保ったが、現場は『これ以上は失敗できない』と焦りを募らせていたようです」(同)
最近では薬物事犯に関して、裁判所も慎重な判断を下す傾向にあり、捜査手法について厳密な対応が求められるケースが多くなっている。さらに、ちまたで蔓延しつつあるコカインは1~2日程度で体内から排出されるため、より慎重な捜査が必要になるという。
「コカインにからむ事案で、過去に警察当局が誤認逮捕をやらかした経緯もあった」(先の民放記者)とされ、これらの背景事情も現場に影響を及ぼしているようだ。
メディアの空騒ぎの裏側で、知られざる攻防が繰り広げられていたというわけだ。