バチェラー・ジャパン公式Twitterより

 リアル婚活サバイバル番組『バチェラー・ジャパン』(Amazon Prime Video)シーズン3の、エピソード6・7の内容をおさらい!

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前回までのあらすじ

 エピソードが進むほどに女性参加者の素性が明らかになっていくが、同時にバチェラー・友永真也(31)のキャラクターも明らかになっている。彼の持つお坊ちゃん特有の天然っぽさは各参加者にイレギュラーなシチュエーションを提供し、ガチな感情を引き出すスパイスになった。

愛すべきキャラクターだ。

ツートップの片翼・濱崎が脱落した理由とは?(エピソード6)

 舞台がグアムから静岡に移ったエピソード6。友永はまず、シングルマザー・田尻夏樹(31)をツーショットデートに誘った。友永が子どもの頃から好きなSL機関車に乗っての鉄道デートである。

「田尻さんは接し方、距離の詰め方がすごいんですけれども、今回はそういうスキンシップはなくていいから、話したいと思います」(友永)

 その言葉通り、2人の席には一定の距離が取ってあり、ノイズなしに田尻から話を引き出そうと友永が努めていることがわかった。会話のテーマは「子どもが生まれたら……」。

友永「水が俺、そんなに好きじゃない。だから、子どもが生まれても、水遊びをそこまでさせへんかもしれん。最低限大丈夫なように、ライフジャケットは絶対着けさせて」

田尻「何歳まで着けさせますか?」

友永「中学生まで着けさせたい」

田尻「だいぶやねえ(笑)。絶対嫌がられるわ!」

 シングルマザーの事実を田尻が明かしていないので仕方ないが、12歳の息子を持つ母親相手に独身の友永が堂々と子育て論を語っている会話はシュールである。あと、そこまで水を危険視する友永がエピソード4で2人の女性を平気で天然プールに飛び込ませていた事実(参照記事)は、つじつまが合っていない。次第にこぼれ落ちる友永の抜けっぷりは印象的だ。

 それにしても、車内から望む景色は自然豊かで心が洗われるよう。友永いわく、日本はすぐに景色が変わるが、フランスは10年たっても景色が変わらないのだそう。そして、今見ている景色も、きっと10年後は変わっていない。だから、友永は鉄道デートを選んだのかもしれない。

田尻「20年後もまた来よ。で、“変わってなかったね”って同じこと言おう(笑)」

友永「……20年後、来る? 20年後、なあ。

(消え入りそうな声で)ほんまやな……」

 笑った。このときの友永は目が露骨に泳いでいるし、迂闊なことを言いたがらない気持ちがだだ漏れしている。未来のことを保証できないのはわかるが、そこまで動揺しなくても……。

 その後、2人は混浴の温泉へ一緒に入った。さっき、鉄道内で友永は「なんでも言える人、信じられるなって俺が思える人」がタイプだと答えている。自分を信じてもらうため、田尻には打ち明けなければならない話があった。

「18歳のときに結婚してて、1年足らずで離婚してしまって。……そのときに、男の子を出産してます」(田尻)

 打ち明けられたときの友永の表情、完全に強張っている。しかし、受け入れようと必死で取り繕っているのもわかる。そして、「全部伝えてくれた彼女が愛おしく思えた」と、友永はローズを田尻に手渡した。

 はっきり言って、このローズを額面通り受け止めるわけにはいかない。スタジオの今田耕司は「人としての優しさで、心と違う行動をしてないか?」と疑問を呈していたが、筆者も同感だ。

恋愛感情ではなく、勇気に敬意を表したローズに見えた。だって、SLの中で将来をあんなに言い淀んでいたし……。

 続いては、ぶどう農家・岩間恵(25)、IT企業勤務・濱崎麻莉亜(22)、DJ・中川友里(30)を指名し、乗馬をしながらのグループデートである。乗馬とかスカイダイビングとかシュノーケリングとか、どうしてこの人は会話しにくいアクティビティばかりしようとするのだろう……。デート終了後の「俺の中でこの乗馬デートはすごい大事やってん」は友永の発言だが、彼が言うほど大きな出来事は、このデートで起こらなかった。目に付いたのは、友永が岩間を特別扱いしている場面だけ。

濱崎と中川は1人で乗馬させたのに、岩間とはどうしても同乗して密着したがる友永。濱崎はあからさまにふくれっ面になるし、中川は「うちら、なんで来たんかな~」とこぼす始末だ。さらに友永は岩間を連れ出し、少し離れた場所で2人きりの会話時間を設けた。

 ファーストインプレッションローズを受け取った岩間であるが、実は友永との2人きりは久々だ。「実際、今(俺のこと)どう思ってる?」と、倦怠期の彼氏みたいなことを言いだす友永。その問いに岩間は「こういうふうに(2人で)話す機会が本当になかったから、(友永に対し)“どういう好き”なのか模索してる時期もあった」と答えている。

岩間「1回しかツーショットデート行っていないのに“どう思ってる?”って、なんて答えればいいんだろうって思っちゃって」

 まるで、誘ってもらえるのが当然かのような口ぶりの岩間。彼女の中には揺るぎない本妻意識があった。でも、なかなか自分に構ってくれず、ほかの女性ともイチャつく友永に腹が立ち、自分の気持ちがわからなくなった。だから、嫌みっぽい言葉を口にしてしまったのだ。

 つまり、この人は恋愛がヘタなのだ。すごく不器用。キレイなのにもったいないと思うが、キレイだからスキルを磨かなくても今までなんとかなってきたのかもしれない。この日も、友永から「(岩間が)夢に出てきた」とスペシャルなことを告げられているのに、冗談みたいなリアクションで会話を終了させてしまってるし。あと、エピソード4での「キスしてくれてもいいんだよ」発言からも、彼女のスキルの低さは窺える。スタジオの指原莉乃は「作戦ですって!」と岩間の腹黒さを指摘していたが、それは考えすぎだと思う。

 カクテルパーティでアクセルを全開にしたのは濱崎だ。友永と2人きりになった彼女は、持参した手紙をとうとうと読み上げた。

「私が今結婚をしたい一番の理由! 私は自分のお父さんの記憶がありません。小さい頃に両親が離婚していて、お父さんという存在も、私を守ってくれる人もあまりいませんでした。心のどこかで家族という居場所、私の帰る場所はどこなんだろうって毎日寂しく感じていて、男性という存在をよくわからないまま大人になりました。年上の人に憧れがあるのも、それが理由なのかもしれません」

 エピソード6で脱落したのは、なんとこの濱崎である。衝撃だ。何しろ、ずっと彼女は特別扱いだった。エピソード1では消極的な彼女をカメラは何度もアップで捉えていたし、岩間と濱崎がツートップでいるような演出がここまで続いていた。なのに、この結果とは。

 濱崎脱落の理由はいくつかあると思う。そのうちの1つに挙げられるのは手紙だ。友永は田尻からシングルマザーであることを打ち明けられた。女性に強さを求める友永は、敬意を表す意味で田尻にローズを渡した。直後に訴えられたのは、父の存在を求める濱崎からのメッセージだった。すごい高低差! ギャップは鮮明で、際立って濱崎が子どもに見えてしまったのではないか?

 このときのローズセレモニーで最後に残ったのは濱崎と中川。友永を見られず泣き顔になっていた中川に対し、自信満々の表情で友永を見続けた濱崎。彼女はローズを受け取れると確信していたようだ。自分が選ばれないなんて予想外だっただろうし、筆者も彼女が脱落するとは夢にも思わなかった。

 エピソード7はグループデートからスタート。その内容は、ウエディングドレスデートである。たくさん用意されたドレスから好きなものを選び、おめかしした姿で友永の前に現れるという趣向だ。

 いろいろ、思うところはある。結婚前にドレスを着て、しかも写真撮影までする今回。そこまでしておきながら、バチェラーに選ばれなかったら悲惨だ。ウエディングドレスそのものが嫌な思い出になりかねない。しかも、友永はイケメンである。参加者が本当に結婚するとき、相手がよほどハンサムでなければ、友永より見劣りして見えてしまう。初婚なのに比較対象のある新婦になってしまうのも困りものだ。

 とにもかくにもデートは進む。“元・北新地ホステス”水田あゆみ(30)、中川、田尻といった面々がドレスに身を包んで登場、律義に友永も「キレイやわ~」と毎回リアクションしていた。そして、大本命・岩間がウエディングドレス姿で登場した。

友永「……!」

 明らかにほかの3人のときと反応が違う。頬は緩むし、言葉を失っているし、なんだか泣きそうになっている友永。さっきまで、「ほんまキレイやわ~」と棒読みのリアクションをしていた彼はどこへやら……。というか、岩間登場のときだけ特別に素敵なBGMになってるのが笑える。友永は友永で、感情が先走って岩間をお姫様抱っこしてしまっているし。バチェラーとスタッフが一緒になって、そんなあからさまな態度にならないでも……。

 つまり、これって岩間のウエディングドレス姿を見るためのデートだったのだ。ほかの3人は、本当の目的を隠すカモフラージュ。テンションの上がった友永は岩間を指名し、2人きりのデートに誘った。

 到着したのは、静岡県某所にあるプールサイド。ここで友永は「ムチャクチャなノリについてきてくれる?」とプールに入り、ウエディングドレスを着る岩間に「おいでよ!」と一言。その格好のまま飛び込んでくるよう呼びかけたのだ。ほかの参加者を岩場からジャンプさせたこともあったし、この人は女性を飛び降りさせるのが大好きだ。「俺のためにどこまでむちゃできるか?」が、イコール「妻にふさわしい強さ」として変換されるのだろう。でも、岩間が生理だったらどうするつもりか? いや、いらぬ心配だった。リクエストに応え、岩間は飛び込んだのだ。

 自分でお金を出したわけでもなく、番組が用意したドレスなのだから、誰でも平気で飛び込むと思う。友永は喜びすぎだ。

 全身が濡れた岩間は、友永が料理をしている間にドレスを脱いで着替えてきた。サイズの大きい男物のワイシャツをブカッと着て登場する岩間。これは、いわゆる“彼シャツ”! 完全に、エッチ後にしか見えない。どうにも、服のチョイスがスケベだ。そんな妙なテンションの2人は、協力し合って一緒にクレープを作った。なるほど、2人は結婚式と結婚初夜と初日ディナーを根こそぎ疑似体験したことになる。

 再びプールサイドに場所を移した2人は、レッドゾーンに突入する。まず、先走ったのは友永。ルール無視で「親に会いに行く」とフライング発言をぶっ放すのだ。高ぶる岩間は、思わず友永にキス! 対して、岩間の「キスしていいよ」発言をスカしたこともある友永が、ついにキスのお返しをした。カメラが回っていなければ、絶対に2人はおっ始めていたと思う。友永は欲情して雄の顔になっていたし、見るからに2人からは性欲があふれまくっていた。つまり、これは実質セックスである。

 さすが、大本命・岩間。横綱相撲をここにきて見せつけられた感がある。終盤で1強に返り咲いた。岩間といるときの友永は顔がとろけすぎだし、プールサイドのやりとりは最終回に思えたほど。残りの3エピソードを見る必要は果たしてあるのか!? 逆に言えば、ここまでやったのに岩間を選ばなければかわいそうだ。

 続くツーショットデートで、友永は広告代理店広報・野原遥(28)を誘った。ドライブインシアターで、今までの思い出ムービーを鑑賞した2人。でも、岩間との時間が忘れられない友永のテンションはだだ落ちしており、抜け殻になっているのが丸わかりなのだ。

 そもそも、友永と野原は相性がよくない。野原のことを「強い」と褒め続ける友永。野原本人は「そんな強くない」と説明しているのに、「強い遥の前なら弱い自分を見せられる」と、友永はかたくなに野原像を変えようとしない。2人を見ていると、心の通じ合いを、お互いがあきらめているようにさえ見える。

 悲しみのステージは続く。エピソード6のカクテルパーティで異変が起きたのだ。どうやら、中川のメンタルが限界に来ている模様。気持ちはわかる。友永の目は岩間に一直線だし、一方の自分はお弁当を作らされるわ、カナヅチなのに天然プールに飛び込まされるわ……。「なぜ自分は選ばれているのか?」と疑心暗鬼にもなるのも無理はない。

中川「グアムから帰ってきたくらいから毎日が超キツくて。2軍でグズグズやってるのもなので、今日決めるとこ決めてほしいという感じです。確実に最後の1人に残るんであればやらなきゃと思うけど、勝てないんであれば今日落とすメンバーに決められても仕方ないし、そこで決めてほしいなって」

「最後の1人に残るんであれば」という言葉が、悪い意味で友永の背中を押してしまった。いくらなんでも、そこまで保証はしてあげられない。病んだ中川に優しい言葉を掛けるのも選択肢の1つだが、友永はそれとは異なる対応を選んだ。

友永「わかった。今日、俺、バラ渡さへんわ。この先、絶対に(中川を)一番に選べれるかっていう保証はできひん」

 友永の言葉を耳にした瞬間の中川の表情は見ものだった。絵に描いたようにあっけに取られている。予想していない言葉が返ってきたのだろう。ぐずってみたけども、想定外に甘えさせてくれなかったバチェラー。恋人とケンカした女性が家を飛び出し「きっと後を追ってくるだろう」と踏んでいたのに、追い掛けるそぶりのまったくない彼氏。勇み足をした女性側が1人で気まずくなっているような状況である。こうして、ローズセレモニーを待たず、中川は脱落した。

 残るメンバーは岩間、野原、田尻、水田の4人だ。今夜配信されるエピソード8は、友永が女性メンバーの家族へ会いに行く実家訪問企画。同エピソードの予告映像が面白いので、未見の方は必見だ。

 実家が野菜農家の野原宅を訪れた友永。野原の家族から「野菜は好きですか?」と聞かれた友永は顔色を変えず「嫌いです」と返答し、気まずい空気を作り出している。これはまだ序の口で、田尻家訪問のくだりは完全に修羅場。友永の車の助手席に乗る田尻の1人息子の疾(はやて)君が暗く、目が死んでいるように見えるのだ。お母さんがいきなり連れてきた、関西弁のお父さん候補。思春期の男子が戸惑うのも無理はないと思う。同情必至で、見ているこっちまで悲しい気持ちになってきた。

 何より考えてもみてほしい。家族と対面し、その印象を基準に脱落者が決まるエピソード8。ここで落とされることほど不憫なことはないだろう。バチェラーが、いろんな意味でいよいよ正念場に差し掛かっている。

(文=寺西ジャジューカ)