ダウンタウン松本人志

 テレビ界では、柳の下にドジョウが二匹いるのが当たり前。パクりパクられの仁義なき戦いが日々繰り返されているが、昨年、やらせ騒動で打ち切りになった『クレイジージャーニー』(TBS系)そっくりの番組がテレビ東京に登場。

後釜に収まらんばかりの勢いだ。

 ダウンタウン・松本人志とバナナマン設楽統という、当代きっての人気者2人が出演する『クレイジージャーニー』の終焉は唐突だった。基本的には深夜番組ながら、数回に渡ってゴールデン進出を果たし、多くの芸能人が大ファンであることを公言。しかし、爬虫類ハンターの企画で、事前に生物を準備して捕獲シーンを撮影していたことが発覚し、“一発レッド”で打ち切りが発表された。その『クレイジージャーニー』と非常にそっくりなのが、テレビ東京の『ウルトラハイパー ハードボイルド グルメリポート』だ。テレビ情報誌記者がいう。

「この番組は、『食うこと、すなわち生きること』をテーマに『ヤバい人たちのヤバい飯を通して世界のリアルを見る異色のグルメ番組』というもので、そのガチンコぶりは『クレイジージャーニー』に全く引けを取りません。

 第1回では、西アフリカのリベリア共和国を訪ね、両親を殺されて11才で銃を取った少年兵に密着し、第2回では極寒のシベリアで隔離生活を送るカルト教団に接触。このほか、ケニアのゴミ山、これまでに数百万人が命を落としたボリビアの銀鉱山、トルコで難民の密航を手配するブローカーなど、極めつきの危険地帯に潜入しており、静かな話題となっていましたが、元日から3日にかけて深夜に一挙に再放送され、一気に認知度が高まりました」(テレビ情報誌記者)

 番組はNetflixでも配信され、『クレイジージャーニー』さながらに多くの芸能人が、「面白い」と発信。命を賭けた本気の番組が少しずつ評価されているが、関係者の間では『クレイジージャーニー』終了を惜しむ声が絶えないという。キー局関係者はいう。

「TBSとしては、突然打ち切りになった『クレイジージャーニー』をどうにかして復活させたい気持ちはあるようです。

というのも、『クレイジージャーニー』はDVDの累計売上が20万部以上に達する超優良コンテンツ。海外の危険地帯を行く丸山ゴンザレス、世界の珍しい景色や風習を訪ねる佐藤健寿、少数民族を撮影するヨシダナギなど、新たなスターも発掘し、“まさにこれから”という段階でしたし、再開を望む声は松本人志や局にも届いているようです。

『ウルトラハイパーハードボイルドグルメリポート』は、『クレイジージャーニー』の後にスタートしていますから、パクりと言えばパクりですが、あれだけ本気で危険地帯に足を踏み込んでいるものをパクりと言うのは気の毒でしょう。

 ただ、確かに『クレイジージャーニー』の丸山ゴンザレスの回と似ている部分は多いので、テレ東が『クレイジージャーニー』の出演者を引き継いでいくという展開はアリです。旅人として『クレイジージャーニー』に出演したメンバーも、自分とは無関係のところでいきなりはしごを外されたわけで、TBSに義理立てする必要はまったくありませんから」(キー局関係者)

 テレビ東京にはこんな動きもあるようだ。

「年末には、世界の刑務所で服役する日本人を訪ねる『ジャパニーズ in プリズン~今夜面会!世界の獄中ニッポン人~』という番組も放送されました。

こちらも唖然とするような映像の連続で、司会の東野幸治も『なんでこれがオンエアOKなのか分からない』と言っていましたが、視聴者が本当に見たいのは、こういう番組なんじゃないですか」(前出・テレビ情報誌記者)

 やらせはもちろん問題外だが、予定調和の番組など誰も見たくないのは、『クレイジージャーニー』の人気が証明済み。テレ東が新たな伝説を作るか、TBSが再起を果たすか、はたまた他局がパクるのか、面白い展開が期待できそうだ。