今や飛ぶ鳥を落とす勢いなのが、テレビ朝日系のバラエティ番組『ポツンと一軒家』だ。
3月8日には20.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区・以下同)、同15日には22.2%と2週連続で大台を突破するなど絶好調。
そんな中、懸念されているのが、近いうち“ネタ切れ”になるのではないかとの見方がある点だ。人里離れたポツンと一軒家は、まだまだ探せばあるだろうが、空き家で取材に赴いても空振りに終わったり、取材拒否される可能性もあるだろう。日本中を捜索し終えたら、いずれネタ切れになってしまうのは避けられないだろう。
それを考慮したのか、同22日は放送を休止して、『ビートたけしのTVタックル』をオンエアしたが、視聴率は12.6%で、前週比9.6ポイントダウン。同29日も実質休止で、『大改造!!劇的ビフォーアフター ポツンと一軒家を匠がリフォームSP』を2時間枠でオンエア。
同番組はかつて、日曜午後8時台に放送されていた『大改造!!劇的ビフォーアフター』と『ポツンと』との初コラボ企画。昨年9月22日に『ポツンと』でオンエアした、静岡県の山奥で茶畑を営む持ち主から番組がリフォームの相談を受けた。訪問した際のディレクターが、『ビフォーアフター』のディレクターでもあったことで話はトントン拍子で進み、物置状態にあった古民家を予算400万円で、匠の松永務氏がリフォームした。
ただ、コラボ企画は名ばかりで、たまたま『ポツンと』で訪問した古民家をリフォームする内容で、番組自体は『ビフォーアフター』そのもの。それでも、17.2%の高視聴率をマーク。日本テレビ系『ザ!鉄腕!DASH!!3時間スペシャル』、NHK大河ドラマ『麒麟がくる』(長谷川博己主演)の14.3%を大きく上回り、同時間帯の横並びトップに立った。
「テレ朝にとっては、20%台を連発していた『ポツンと』を休むのは冒険でしたが、『ビフォーアフター』がハイレベルな数字を獲ったことで自信につながったはず。もともと『ビフォーアフター』も人気番組でしたが、これもネタ切れでレギュラー番組が終了したようなもの。両番組共、司会は所ジョージで視聴者に違和感もないでしょうし、『ポツンと』のネタがなくなって終わる場合、『ビフォーアフター』は後番組の有力候補。今後、数ヶ月ごとに『ポツンと』を休止して、『ビフォーアフター』を単発で放送して、様子を見ていくことになるんじゃないでしょうか?」(テレビ誌記者)
人里離れた一軒家が無尽蔵にあるわけではないだけに、いつかはネタが切れる。そのときに備えて、テレ朝の用意は周到のようだ。