新型コロナウイルス感染症による肺炎で、志村けんさんが急逝したのは3月29日。日本の喜劇王の死は世界各国でも報道され、各局も追悼特番を放送した。
「4月1日には、フジテレビが『ドリフ大爆笑』『志村けんのだいじょうぶだぁ』『バカ殿様』の名場面をふんだんに使った演出で平均視聴率も21.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を獲得。スタジオに招かれた加藤茶、仲本工事、高木ブーの追悼コメントに視聴者は号泣しました。その後もNHK、日本テレビなどが追悼特番を組み、いずれも高視聴率を記録しています。WOWOWも4月19日と26日に『松竹ドリフ映画』4作品を追悼特集として放送するようです」(テレビ誌ライター)
そんななか、とある制作会社が別角度の追悼企画をぶち上げたという。テレビ関係者が明かす。
「『志村けん物語』的な自伝作品をドラマか映画で制作したいとのことで、日本テレビが乗り気になっていたようです。千鳥・大悟など縁者も多数出演させようというもので、実現すれば話題になることは確実でした」
しかし、結論から言えば、この企画はすぐに頓挫することになった。前出のテレビ関係者が続ける。
「志村さんは名誉欲といったものが一切なく、自分は一コメディアンというのが矜持。誇張されて偉人のように扱われるのを嫌がっていたという理由で、所属事務所からNGを通達されたようです」
もっとも自伝作などなくとも、志村さんの生き様は多くの人たちの胸に届いているはずだ。