インスタグラム;藤田ニコル(@2525nicole2)

 近年のバラエティ番組において、重要な役割を担っているのが、みちょぱ(池田美優)や藤田ニコルなど、モデル出身のタレントたちだ。高いコメント力と若者らしい視点で、お笑い系の番組はもちろん、情報番組などでも重宝されている。

「ボケ、ツッコミという部分だけでなく、“裏回し”を任されることも多いのが、最近の女性タレントですね。彼女たちは単純に“番組に華を添える”という役割だけでは収まらない“軸”となっています」(テレビ誌記者)

 そんなモデル出身タレントたちの台頭の裏で、活躍の場を奪われているのがグラビアアイドルたちだ。

「10年~15年くらい前であれば、グラビアで人気が出た女性タレントがバラエティ番組に進出して、そのままブレイクするというパターンが基本でした。しかし、最近は女性タレントを起用するにしてもグラビア系は避けられることが多い。セクシー要素やスタイルの良さを売りにするグラビアアイドルは特に難しいです」

 そう話すのは、バラエティ番組に携わる制作会社関係者だ。昨今のテレビ界では、女性芸人の容姿イジリを避ける傾向にあるが、グラビアアイドルについても同様のことが言えるという。

「単純に性的な表現を自主規制しているというだけの話ではありません。“女性を容姿で判断する”というような表現そのものが減っているということ。たとえば、“Gカップアイドル”みたいな異名を付けられてグラビアで人気を得ているアイドルでも、テレビに出るときはそのフレーズは使いづらい。制作サイドとしては、ルックスやセクシーさをピックアップできないなら、わざわざグラビアアイドルを使う理由もないか……と、結局避けてしまうんです。アイドルを起用する場合も、セクシー要素をできるだけ排除することが多い。だから、制服衣装で出られる坂道シリーズのメンバーは使いやすいんです」(前出・制作会社関係者)

 もはや“グラビアからバラエティ番組へ”というルートは使えなくなりつつあるのだ。

「みちょぱや藤田ニコルの存在もあって、“バラエティではグラビア系よりもモデル系のほうが使える”という共通認識も出来上がっている。バラエティの世界には、グラビアアイドルの席はほとんど残っていないのが現状です。

 逆に言えばむしろ“グラビアからバラエティ”ではなく、“グラビアから女優”というパターンを狙う芸能事務所が多いような気もします。それこそ吉岡里帆のように、グラビアで火がついて女優でブレイクするパターンもありますからね」(同)

 グラビアアイドルという職業の位置づけは変容してきているようだ。