『R-1グランプリ2021』(公式サイトより)

 ピン芸人日本一を決める『R-1グランプリ2021』の開催が発表された。今年から表記が『R-1ぐらんぷり』から、カタカナの『R-1グランプリ』に変更。

さらに、これまでは芸歴に制限なくプロの芸人であれば誰でもエントリーできたが、今回から参加資格が「芸歴10年以内」に変更された。

「たしかに、毎回同じようなメンツが決勝に進出し、その芸人たちの年齢層もどんどん高くなってきて、フレッシュさに欠ける大会になっていたのは事実です。でも、芸歴10年以内という制限がかかると、本当に売れていない芸人ばかりになり、ネタのクオリティーが劇的に下がる可能性も高い。散々な大会になってしまうかもしれません」(芸能事務所関係者)

 ピン芸人だけでなく、コンビ芸人が1人で出場することも多いR-1。参加資格が芸歴10年以内となれば、当然ながらベテランコンビ芸人のチャンスも奪われる。

「コンビ歴15年以上でM-1グランプリに出られないベテラン芸人が、R-1に出てチャンスを狙うということも多かったのですが、今回のルール変更でそれもなくなるということ。

もはや売れるきっかけもないと判断して、引退するコンビ芸人も増えるかもしれませんね」(同)

 そんななか、新ルールのR-1で力を発揮するのではないかと囁かれるのが、ワタナベエンターテインメント所属の芸人たちだ。ある構成作家はこう話す。

「ナベプロは、デビューしたての若手芸人にいろんなキャラをやらせて、売り出すのが得意なんです。“35億”のキャラでブレイクしたブルゾンちえみもそうだし、今YouTubeで人気の丸山礼も、デビュー直後はロバート秋山のものまね芸人としてメディアに露出していました。ナベプロは、必ずしもネタのクオリティーが高いわけではないけど、一発屋的なインパクトのあるピン芸人を作り出すのが上手いんです」

 ナベプロでは、ネタやキャラクターを作家陣が考案し、それを新人芸人にやらせるというパターンも多いようだ。

「ナベプロの“事務所発信のキャラ芸人”は周囲の芸人からはバカにされますが、それなりのマーケティングのうえに成り立っているものが多いので、世の中にウケやすい。

R-1は元々キャラ芸人が有利な大会だし、ナベプロ芸人にとっては最高の場なんです。今回の参加ルール改正によってベテランが消えて大会のレベルが下がれば、さらにチャンスも増えてくる。今後のR-1では、ナベプロ芸人がどんどん目立っていくと思います」(同)

 お笑い賞レースでは吉本芸人が有利だとされることが多いが、新生R-1グランプリについては、まったく異なるものとなりそうだ。