科捜研の女vs.マッドサイエンティスト。テレビシリーズに続いて、沢口靖子が法医学研究員を演じる『科捜研の女 劇場版』(9月3日公開)は、シリーズ史上最強の敵となる天才科学者役の佐々木蔵之介と対決するスリリングな内容となっている。長年のファンだけでなく、テレビシリーズを観ていない人でも充分に楽しめる明快なミステリー作品だ。
東映京都撮影所で制作されているテレビシリーズ『科捜研の女』(テレビ朝日系)は、1999年10月に放送スタートし、現行のテレビドラマで最長寿となる大ロングランシリーズ。「科学は嘘をつかない」をモットーとする京都府警科学捜査研究所の鑑定技術職員・榊マリコ(沢口靖子)は、迷宮入りしそうな難事件でも見逃されがちな些細な遺留品を糸口に、真相を解き明かしていく。
基本的にテレビシリーズは1話完結のエピソードがほとんどのため、シリーズ途中からでも視聴でき、平日午後の再放送までついつい見てしまうという在宅ワーカーも多いのではないだろうか。マリコとは「仕事仲間以上、恋人未満」な関係の土門刑事(内藤剛志)、スイーツをお土産に科捜研に現れる解剖医の風丘(若村麻由美)ら、レギュラーメンバーとのおなじみの展開は劇場版にもしっかりと盛り込まれている。悲惨な殺人事件を扱い、専門用語が飛び交う科捜研だが、マリコの周囲にはのほほんとした空気が漂う。そんな心地よさがこのシリーズの魅力でもある。