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 今年で110周年を迎える吉本興業。これを記念して明石家さんまダウンタウンの共演が実現する特別公演「伝説の一日」(4月2~3日、なんばグランド花月)が話題になるなど、相変わらず勢いは止まらない。

テレビ業界でも吉本の力は大きく、バラエティで吉本芸人を見ない日はないが、水面下である大きな動きが起き始めているという。

「吉本興業は『BSよしもと』を2022年3月21日から開局するのですが、かなり力を入れるつもりのようです。47都道府県に駐在する吉本の『住みます芸人』などを使って、地方の魅力を紹介する番組を多く制作する予定とのことですが、これはメインの取引先になる民放各局に対して、“自分たちはライバルにならない”とアピールするための“建前”だと言われている。実際は人気芸人も多く出演させ、本格的な番組を作って視聴率を上げていくつもりのようです」(民放関係者)

 「BSよしもと」では、平日の13時から17時まで、ローカルニュースを中心に生放送を行なう帯番組『Cheeky’s a GoGo!』など、民放の驚異となりそうな番組もスタートすることで、吉本とテレビの間で微妙な空気も流れているという。

「吉本の関係者は、『Cheeky’s a GoGo!』について民放各局に『しょぼい番組です(笑)』とへりくだった説明していますが、次長課長トレンディエンジェルなどを中堅芸人をMCにして、ちゃっかり力を入れて作るようです。民放系列の地方局はこの時間帯にローカルニュースを放送している地域も多く、吉本に地方のニュースを放送されたら死活問題になりかねないと嘆いている。各局が吉本対策を練り始めています」(民放関係者)

 また、吉本が「BSよしもと」で起用しようとしている強力な“戦力”も話題だ。

「3月いっぱいでフジテレビを退社する元アナウンサー久代萌美は吉本興業に所属になりますが、この『BSよしもと』の番組を主戦場にするという話がある。しかも、早期退職社制度でフジを辞めるスタッフの一部が、『BSよしもと』に合流するという噂もあります。なので、フジの上層部は『BSよしもと』の動きにかなり神経質になっています。『BSよしもと』では今後、ゴールデン帯などに人気芸人を起用した企画も予定しているようで、ナインティナインや千鳥などもスケジュールを合わせて番組作りに参加するという話も聞こえてきています」(民放関係者)

 さらに、今後のタレントの大きな収入源になりそうなライブ配信に関しても、吉本が一歩先を進んでいるようだ。

「新型コロナの影響で、テレビ局はイベントなどの放送外収入を獲得しづらくなった。

そこで、ライブ配信に目をつけたんです。番組関連のイベントを開催して、地方の客にはライブ配信でチケットを買わせれば、事実上は会場のキャパシティを気にしないでいくらでもチケットを売ることができる。たとえば、ラジオ局のニッポン放送は積極的に取り入れて、ライブ配信関連のイベントは成果を上げています」(民放関係者)

 しかし、ここでも吉本興業の驚異をテレビ局は感じているという。

オードリーナイツなど、オールナイトニッポン系列のパーソナリティが出演したイベント『お笑いラジオスターライブ2022』が3月6日に開催され、会場と有料ライブ配信で1万人近い客を集めた。観覧者のチケット収入だけでかなりの売上があったんです。ただ、このイベントに吉本芸人が1人もいなかった。ケイダッシュ所属のオードリー・若林正恭も自身のラジオ番組で『これ誰も大きな声で言えないんだろうけど…』とし、『(パーソナリティには)中川家さんもいらっしゃるし霜降り明星もいるし、漫才やる人いっぱいいるじゃない。で、出演がオードリー、ナイツ、アンガールズ三四郎、ぺこぱってことは、吉本と話うまくいかなかったんだろうね。こんなこと言っちゃいけないけど、なんかあるんだろうな』とコメント。春日も『たまたま吉本さんが1人もいないなんてことは、ちょっと考え難いね』と同調していました。これについて、吉本興業が自社のライブ配信に今後力を入れていく関係で、他社の主催する今回のイベントを断ったという噂も聞こえてきます。もしかしたら今後は、テレビやラジオが開催するライブ配信には、吉本の芸人が出演しづらくなる可能性もあるのでは」(民放関係者)

 テレビ局とは持ちつ持たれつでいい関係性を築いてきたであろう吉本。

今後もそのパワーは健在だろうが、果たしてどのような動きを見せるのだろうか?

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