”EXILE軍団”ことEXILE TRIBE。EXILEを筆頭に、三代目J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE、GENERATIONS from EXILE TRIBE、THE RAMPAGE from EXILE TRIBE、FANTASTICS from EXILE TRIBE、BALLISTIK BOYZ from EXILE TRIBEなどを擁するこの関連グループの中でも、特にGENERATIONS以降のグループは「Jr.EXILE」世代と位置付けられているが、ここのところFANTASTICSの動きが活発だ。
2021年には初の冠番組『FUN! FUN! FANTASTICS』(日本テレビ系)が関東ローカルで放送され、80~90年代にフォーカスした同番組との連動イベント『BACK TO THE MEMORIES』も盛況。今年1月から3月にかけては『FUN! FUN! FANTASTICS』の第2弾が放送となり、そして4月からは『BACK TO THE MEMORIES』の第2弾も開催されている。
またこの4月からは、フジテレビとFNS各局が共同で出資して制作するという異例の体制となる冠番組『ふるさとファンタ』がスタート。メンバーがさまざまな地域でロケを行い、地方の魅力にスポットを当てるという番組で、仙台放送、福島テレビ、NST新潟総合テレビ、石川テレビ、テレビ静岡、テレビ西日本、テレビ長崎、テレビ熊本、鹿児島テレビ、沖縄テレビの計10局とフジテレビの共同制作で、FNS各局では月1回のレギュラー放送、フジでは不定期の深夜放送になるという。すでにFODとTVerで先行配信版の無料配信が始まっているが、こちらはテレビ静岡とのタッグで富士サファリパークを訪れている。
「LDHは全国に『EXPG STUDIO』という育成スクールがあり、EXPG出身者が多いこともあって地方出身者も多いのですが、そうしたことから地方局への出演にも積極的。ファンタ(FANTASTICS)は特に、堀夏喜さんが地元・名古屋で『ホリナツのカンムリ(仮)』(名古屋テレビ)というミニ番組を持っているのを筆頭に、地方でレギュラーを持っていたメンバーも多い。『ふるさとファンタ』はそうした流れにあるのでしょうが、FNS系列10局とのタッグでの番組というのはおもしろい試みですよね。こういう企画が成立するのはファンタならではなのかもしれません」(アイドル誌記者)
そもそもFANTASTICSは、EXILE TRIBEの中でも”特異”な存在だという。
「GENERATIONS以降でイメージはある程度変わったと思いますが、それでもLDHの男性グループに”ヤンチャ”イメージを持つ人は多く、実際にそうした面もあるのですが、特にファンタは”爽やか”で”ポップ”な印象が強い。ジャニーズのグループと勘違いする人もいるくらいです。
また、もともとファンタは、2014年に開催された『EXILE PERFORMER BATTLE AUDITION』で合格してEXILEに加入した世界さんと佐藤大樹(たいき)さんのふたりをリーダーに、EXPG出身の5人のダンサーを加えたダンス特化型のグループとして2016年末に結成。
初のライブツアーも独特だったという。
「2018年にメジャーデビューし、2019年10月から11月にかけて初の全国ホールツアーを開催したのですが、『SOUND DRAMA』と冠し、なんと通常のコンサートに加え、演劇も行う2部制ということでLDHファンを驚かせました。リーダーの佐藤はGENERATIONSのサポートメンバーを務めていた時代からドラマ出演を経験していたのでまだわかりますが、他はほぼ演技未経験。正直、この構成を聞いた当初、ファンは戸惑ったと思います。しかし、パフォーマーの中尾翔太さんがデビューを見届けることなく2018年7月に22歳の若さで亡くなり、それでも『FANTASTICS 9』を掲げていた彼らだけに、何らかの形で中尾さんへの想いを表現しようとしてライブの前に演劇を挟んだのでしょう。最初はコントみたいでしたが、中尾さんとはEXPG名古屋校からの付き合いだった堀さんが中尾さんについて触れる終盤からは涙なくしては観られませんでした」(同上)
そんな舞台+コンサートというツアーを行った経験も反映されているのか、俳優業にも積極的だ。
「特に勢いがあるのがボーカルの八木勇征さん。昨年11月~12月に放送された毎日放送の『美しい彼』でテレビドラマ初出演にして初主演しました。『流浪の月』で本屋大賞に輝いた凪良ゆう氏の人気ボーイズ・ラブ小説を映像化したもので、演技はさすがにまだまだといったところでしょうが、タイトルどおり本当に”美しい”姿が視聴者を魅了。DVD・Blu-rayボックスが4月8日に発売となりますが、Amazonの新着ランキングでは日本のTVドラマで朝ドラの『カムカムエヴリバディ』と首位争いをしています、また国内だけでなくアジア圏でも反響を呼び、W主演の萩原利久さんと共に特に中国・台湾で一気に知名度を上げ、今年1月に八木さん個人でWeiboを始めると『1月に最も注目された人気アカウント』に選ばれるほど話題になりました。八木関連のツイートには英語、中国語、韓国語などいろんな国からの反応が見られますね。
同じく俳優として今後注目株となりそうなのが、堀夏喜さん。昨年の日本テレビ系水曜ドラマ『恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~』が地上波ドラマ初出演で、杉野遥亮演じる森生のヤンキー仲間という役どころでした。出番は少なかったですが、なかなか好評でしたし、何よりギャラクシー賞に輝くなど名作と絶賛されたドラマにレギュラーで出演できたのは大きかったでしょう。すでに次の作品も決まっているという話です。
リーダーの佐藤大樹さんは『HiGH&LOW』シリーズ(日本テレビ系)など多くの作品に出演しており、2019年には福原遥さんとのW主演映画『4月の君、スピカ。』、2020年には橋本環奈さんとのW主演映画『小説の神様 君としか描けない物語』が公開されました。つい先日には、地上波ドラマ初主演となった『liar』(毎日放送)が最終回を迎えたばかりですし、3月にAmazon Prime Videoで配信された波瑠主演ドラマ『恋に落ちたおひとりさま~スタンダールの恋愛論~』にも出演。ディズニー/チャンネルで放送中の『ディズニー365 プラス』ではMCを務めたり、Netflix版『未来日記』シーズン1にスタジオゲストとして参加するなど、EXILEも兼任しているだけあって、俳優以外での活躍でもグループを牽引していきそうです。
さらにこの4月からは、ボーカルの中島颯太さんがテレビ朝日の人気恋愛バラエティ『あざとくて何が悪いの?』内の”あざと連ドラ”第4弾『君があざとくて何が悪いの?~僕らの恋日記~』の主演のひとりに抜擢。また、中島さんはフジテレビで今月から始まった昼の新番組『ポップUP!』の金曜レギュラーコメンテーターも務めます。この春から一気に知名度が上がりそうですね」(同上)
先日、メンバーの八木勇征、澤本夏輝、木村慧人の3人が新型コロナウイルスに感染したことが発表され、現在開催中の『BACK TO THE MEMORIES PART2』は全41公演のうち10公演が中止。中島も濃厚接触者にあたるため、4月8日の『ポップUP!』出演を見送ることになった。