ドラマ公式サイトより

 綾瀬はるか主演のフジテレビ系月9ドラマ『元彼の遺言状』の第2話が4月18日に放送された。第1話では巨額の遺産をめぐる人間ドラマが描かれ、ついには殺人事件にも発展。

第2話で真相解明に向けた本格的な謎解きが展開されることを期待していた視聴者も多かったことだろう。しかし、そこには思いもよらぬ結末が。ただの煽り表現と受け止めていた“予告動画の一文”が現実となったのだ。

 同作は、第19回「このミステリーがすごい!」大賞の大賞に輝いた新川帆立氏の同名小説(宝島社)が原作となる痛快リーガルミステリードラマ。綾瀬演じる敏腕弁護士・剣持麗子が、麗子の学生時代の元カレで、森川製薬の御曹司・森川栄治(生田斗真)が残した巨額の遺産を手にするべく、栄治が暮らしていた別荘の管理人・篠田敬太郎(大泉洋)の依頼を受けて真相究明に猛進するストーリーだ。

 第2話では麗子と篠田が、栄治および栄治の顧問弁護士・村山権太(笹野高史)殺害の真相の手がかりを探し、推理に奔走した。所在不明となっていた金庫、森川製薬が発売を目指す新薬、栄治の”番犬”バッカス、そして発見された金庫にあったDNA鑑定書。事件に関わる重要な手がかりがつながり、獣医師でバッカスの主治医・堂上圭(野間口徹)が犯人であることを突き止める2人。堂上の元妻もまた栄治の“元カノ”であり、息子・亮と栄治は親子関係にあったことから、堂上は怨恨のあまり栄治を殺害したのだった。

 真相にたどり着いたものの、父が捕まり一人残されてしまった亮、自身の未来だけを心配する森川一族の醜い姿を目の当たりにした麗子。「栄治、本当にこれでよかったの?」と複雑な思いを抱く麗子だったが、栄治が自分に残してくれた弁護士事務所に戻り、栄治から送られた「しのだたのんだ」の暗号メッセージに従い、篠田とともに新たなスタートを切る……というエンディングとなった。

 確かに第1話終了後に公開された予告動画では「ついに犯人が明らかに!」のテロップが出ていたものの、まさかそれが文字通りのものだったとは。

SNSでは「元彼の遺言状、 原作は2話で終わってしまった… 端折りすぎ」「待って、原作をちゃんと10話くらいでするほうがよくない!?」といった原作ファンからの疑問が目立つ。被疑者への要点を絞った聴取や派手なドライブシーンなど、良く言えばテンポのいいスピーディな展開ではあったが、原作ファンの視聴者には物足りない内容だったようだ。

 確かに、放送前から「原作の世界観はそのままにドラマオリジナルのエピソードも展開し、原作と違うエンディングを迎える」と予告されていたドラマ版『元彼の遺言状』だが、こうも早く原作小説の内容を終えてしまうとは、視聴者の誰もが思わなかっただろう。もっとも、新川帆立氏による「剣持麗子シリーズ」は他にも『倒産続きの彼女』『剣持麗子のワンナイト推理』(宝島社)と続いており、ドラマオリジナルの事件とこれらを交えていく可能性もある。実際、第3話のあらすじを読むかぎり、次回は『剣持麗子のワンナイト推理』第一話の内容を映像化するようだ。

 真価が問われるとすれば、『元彼の遺言状』の原作小説の内容を2話で終わらせるという大幅な圧縮をしてまで展開する、ドラマオリジナルのエピソードの回になるだろう。月9ブランドにふさわしい、幅広い視聴者を楽しまるストーリーに仕上げつつ、原作ファンも納得させる世界観を表現することは果たして可能なのか。ひとまず、4月25日放送の第3話を楽しみに待ちたい。

■番組情報
月曜ドラマ『元彼の遺言状』
フジテレビ系毎週月曜21時~
出演:綾瀬はるか、大泉洋、生田斗真、関水渚、森カンナ、笛木優子、要潤、野間口徹、佐戸井けん太、笹野高史、萬田久子、浅野和之 ほか
原作:『元彼の遺言状』新川帆立(宝島社)
脚本:杉原憲明、小谷暢亮
音楽:川井憲次
プロデューサー:金城綾香、宮﨑暖
演出:鈴木雅之、澤田鎌作、西岡和宏
制作・著作:フジテレビ 第一制作部
公式サイト:fujitv.co.jp/motokare

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