アニメ映画『名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)』が4月14日に公開され、1日目で観客動員数58万人、興業収入8・5億円を突破。これまでのシリーズ歴代1位は『ハロウィンの花嫁』(22年)の興収97・8億円だったが、その163%を記録し、シリーズ初の興収100億円超が確実視されるロケットスタートとなった。
2020年公開の『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』が興収404・2億円の日本歴代1位を記録して以降、『ONE PIECE FILM RED』『劇場版 呪術廻戦0』『THE FIRSR SLAM DUNK』『シン・エヴァンゲリオン劇場版』など、ここのところアニメ映画が100億円超えを連発している。
しかし、これらの作品が「特典」をつけて何度も劇場に足を運ばせる戦略をとっていたのに対し、『名探偵コナン』ではそれがないことから、ネット上でも、
《改めて特典つけないであの興行収入ってエグいよ》
《入場特典なくても興行収入がヤバイ!》
《コナンは純粋に作品が好きな人が特典無かろうと訪れての興行収入。これって天と地ほどの差があるよね》
などと、「実質1位」と評価する声が聞かれている。
そんな『名探偵コナン』は海外でも人気が高くスペインなどでも放送されているのだが、とりわけ中国での人気は日本にも引けを取らない。
「中国本土でも日本のアニメ映画は超ドル箱です。特に『コナン』は、98年よりテレビアニメの放送がスタート。以来、同国では放送できるものとそうでないものがある中で、さまざまなチャンネルで繰り返し放送され、15年からは日本での放送から2時間後には字幕版が配信されています。日本と変わらないほど長く親しまれている作品となっていることから、その認知度は『ドラえもん』と並んで圧倒的。過去作品では40億円の興行収入を連発していますが、今作は中国人気NO.1の『灰原 哀』が物語の中心となっているので、歴代トップの興収を叩き出しそうです」(エンタメ誌編集者)
『黒鉄の魚影』は、原作の“本筋”でもある「黒ずくめの組織」とコナンらの対決が描かれているが、「週刊少年サンデー」(小学館)での連載開始から30年近くが経過した今でも、まったく組織が壊滅する気配も見えない。
「数年前までは、原作者の青山剛昌氏が還暦を迎える今年にも『終了するのでは?』と噂されていました。しかし、テレビアニメ、映画、音楽、ゲーム、グッズなどもはやもはや『世界の公共事業』となっていることで、終わるに終われない状況に見えます」(前出・サブカルライター)
『名探偵コナン』の作中では、すでに数百人が亡くなっており、ネット上は「コナン死神説」も飛び交っている。果たして、青山氏は無事に完結にこぎつけることができるだろうか。