ブンブンハローYouTube!
今回レビューするのは、セブンイレブン限定で発売された「みそきん 濃厚味噌らーめん」と「みそきん 濃厚味噌メシ」。どちらも超人気YouTuberであるヒカキンさん監修の商品です。
ヒカキンさんは、味噌ラーメンが小さい頃からのご馳走で、下積み時代にも味噌ラーメンに元気づけられており、今回カップ麺でオリジナルの味噌ラーメンを考案。その味噌ラーメンをさらにカップライスに落とし込み、カップ麺とカップライスが2品同時にセブンイレブンで発売されました。
今回の2品は、SNS等で発売前から話題になっており、発売と同時に店頭から消える人気ぶりです。さすが日本におけるYoutubeのアイコン、ヒカキンさんの人気ぶりが改めて示される形になりました。ウエストランドが漫才でネタにしていたYouTuberのある種の危ういイメージが、ヒカキンさんには一切ないですよね。
筆者も今回の商品を購入しようと、セブン店頭での争奪戦(?)に参加する形になりましたが、家から一番近いお店では行ったらすでに売り切れていてビビりました。まだ売り出し前のお店では、棚に商品が並べられるのを今か今かと待っている人が店内にも駐車場にもたくさんいたように見え、その昔の「ドラクエ3」や「ビックリマン」争奪戦の殺気立った雰囲気を思い出しました。「妖怪メダル」あたりもそうだったでしょうか。
Twitterなどで「HIKAKIN PREMIUM」というワードがトレンドになっていましたが、今後、ヒカキンさんの商品がこのブランドから展開されていくのでしょうか。SNSで見て「HIKAKIN PREMIUM」ってなんだ? と思った人も多いのではないでしょうか。
ヒカキンが考えた味噌ラーメン「みそきん 濃厚味噌らーめん」
まずはラーメンのほう、「みそきん 濃厚味噌らーめん」278円(税別)。セブンで売られている日清食品製味噌ラーメのカップ麺といえば、真っ先に札幌味噌ラーメンの味を再現した「すみれ」が思い浮かびますが、「みそきん」も札幌ラーメンをインスパイアしているのでしょうか。
唐辛子入りの赤味を帯びた油脂が浮いた豚骨ベースの白味噌主体のスープに、縮れのついた中太の油揚げ麺と、もやしやメンマなどの具が合わせられています。
豚骨ベースの味噌味スープで、白味噌が主体のまろやか系。白味噌の刺さらないやさしさが前面に出ていますが、決してまろやか一辺倒ではなく、ニンニクや香味野菜、山椒を入れることでパンチも生み出しています。
札幌ラーメンだとスープ表面のラードやベースの野太いとんこつが幅を利かせていたり、仙台ラーメンだと赤味噌主体の味噌のコクや辛味が前に出てきていたりしますが、白味噌が主役の「みそきん」はそれらとはまったく別物でした。
スープ表面には唐辛子でやや赤味を帯びた油脂が浮いていますが、辛さはピリ辛以下で、白味噌に程よく刺激を加えていました。辛いものが苦手な人でもほぼ問題なさそうな程度の辛さです。
札幌ラーメンなどほかの味噌ラーメンとは明確に異なる特徴を持っており、「みそきん」は本気でオリジナルの味噌ラーメンを作ろうとする意志が明確に読み取れました。ネタとしてだけで作った味ではなさそうです。白味噌のやさしさ、繊細さと、ニンニクや生姜などのパンチを両取りした硬軟織り混ぜた味は、既存の味噌ラーメンファンだけでなく味噌ラーメンがあまり得意でない人にも受け入れられそう。
麺は、中太で縮れのついた油揚げ麺。やや幅広形状。札幌ラーメンをはじめ、味噌ラーメンで使われる麺はコシ重視のものが多いですが、今回は味噌ラーメンとしてはソフトな食感。白味噌のスープとバランスを取っています。
また、本格的なこだわりのカップ麺の場合はノンフライ麺が使われることが多いですが、今回は油揚げ麺が用いられていました。このあたりはコスト的なものなのか、あえてカップ麺らしさを狙ってきているのかはわかりませんが、油揚げ麺でも本格スープの邪魔にはなっていませんでした。
具は、もやし、メンマ、ネギ。250円超えの価格設定なので、肉が入っていないのはちょっと寂しい気がします。味噌ラーメンらしくもやしが入っているのは好印象で、既存の味噌ラーメンを最もインスパイアしている部分ではないでしょうか。
メンマもやわらかい味噌味と好相性。もやし、メンマとも量はそれなりに入っていました。
続いてはカップライス、「みそきん 濃厚味噌メシ」299円(税別)。「みそきん 濃厚味噌らーめん」の味をカップライスで再現した商品です。カップ麺と同じくセブン限定の日清食品製の商品で、カップ麺に加えてカップライスも出てしまうところはさらに「すみれ」っぽいですね。ちなみに、カップ麺よりさらに高額設定となっています。
数件セブンを見回ったところ、カップ麺よりカップライスの入荷が少ないようで、購入個数制限がカップ麺3個まで、カップライス1個までというお店もありました。
白味噌主体のスープに唐辛子の入った油脂を合わせ、「カレーメシ」などで使われているものと同様のパフライスと、肉そぼろ、キクラゲ、キャベツが入っています。
豚骨ベースに白味噌を加えたまろやか系のスープに、ニンニクや生姜、そして赤い油脂でほんのり程度に辛味を加えています。こちらも主役はもちろん白味噌で、一般的な味噌ラーメンのスープに比べてまろやかで刺さらない味となっています。そしてまろやか一辺倒ではなく、ニンニクや生姜でパンチを加えていて、同時発売の「みそきん」カップ麺を再現した味となっていました。
ライスとスープのバランスは、汁少なめの雑炊程度。湯戻し5分ですが、5分より長く経過させるといっそう自然な仕上がりになるように思います。今回の白味噌が主役のスープは、もちろんラーメンとよく合っていましたが、ご飯好きな筆者には、今回のライスのほうがさらにスープにマッチしているように感じました。
スープの味はカップ麺とよく似ていましたが、具はカップ麺に入っていたもやしやメンマは入っておらず、キャベツ、キクラゲ、ネギ、ニンジン、そして肉そぼろの組み合わせ。カップ麺にはなかった肉が入っているのは良かったですが、カップ麺の特徴をまったく踏まえていないのはどうしちゃったのでしょうか。
ヒカキンの本気を感じた
肉が入っていないカップ麺、カップ麺で特徴的だったもやしやメンマが入っていないカップライスともに、高額商品であることを踏まえると具に多少不満は残りますが、既存の味噌ラーメンとは異なる、白味噌のまろやかさにニンニクや生姜でエッジを加えた組み合わせは、タレント監修商品の枠を超えた本気が感じられました。
どちらもを食べても、もちろん両方食べても満足できそうでが、どちらか一方を選ぶなら、スープとマッチしていると感じたカップライスをおすすめしたいです。