フジテレビが夜9時から新たにスタートさせたバラエティ番組が全滅状態だ。火曜夜9時は、アンタッチャブルの『ひらけ!パンドラの箱 アンタッチャブるTV』が4月から始まっている。
「同番組はアンタッチャブル初のゴールデン冠番組。これまで4回の特番放送を経て、ゴールデンに進出しました。パンドラの箱、つまり世の中にあふれる『残念』『危険』『不思議』な事象に体当たりで取材を敢行するという内容です。現在のメイン企画は、レビューサイトで低評価が続出する旅館にアンタッチャブルの2人が潜入し、館主に伝えた上でよりよい宿に生まれ変わらせるというものです」(芸能ライター)
しかし、視聴率は厳しい状況だという。
「5月9日の放送回は個人視聴率2.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)、世帯3.6%を記録。突出して見られている層もなく、定着するまでには当分、時間がかかりそうです。その後は若干持ち直しており、F2(35~49歳女性)をつかみつつありますが、裏番組の『マツコの知らない世界』(TBS系)、『ザ!世界仰天ニュース』(日本テレビ系)にダブルスコアで大敗しています」(テレビ業界関係者)
さらに上がり目がなさそうなのが、木曜夜9時だ。
「かつては『とんねるずのみなさんのおかげでした』が放送されていた伝統の枠ですが、今はバカリズムがMCを務める『私のバカせまい史』が流れています。『動物たちの動物園脱走史』『1000万円以上の大金を拾った人史』など誰も調べたことがないマニアックな歴史を調査し、芸能人がプレゼンしていくという内容です。パイロット版が何度か放送された後、同枠でレギュラー化されました。特番時代には優秀番組に与えられる『ギャラクシー賞』(テレビ部門2022年5月度月間賞)を受賞しています。番組の匂いとしては『トリビアの泉』を思い出しますね」(同)
しかし、肝心の視聴率は苦しいという。
「5月25日は個人2.1%、世帯3.6%と、なかなか厳しい。切り口とリサーチが肝になる番組ですが、テレビ的なビジュアルで考えると、夜9時というより夜10時の雰囲気です。また、結果的に『よく調べ上げた』という感想でしかないこともあったり、ターゲット層がわかりにくいなど、構造的な問題があります。フジテレビらしい番組ではありますが、今こうした雑学系の番組がどこまで受け入れられるのか……」(同)
新番組だけでなく、フジテレビは既存の夜9時台のバラエティも見直しを迫られている。たとえば、水曜夜9時の『ホンマでっか!?TV』だ。14年続く長寿番組だが……。
「視聴率は裏番組の環境によって大きく左右されますが、5月10日は個人2.6%、世帯4.5%でした。この日の裏は『上田と女が吠える夜』(日本テレビ系)個人5.6%、世帯9.4%、『特捜9』(テレビ朝日系)個人5.6%、世帯9.6%、『ワールド極限ミステリー』(TBS系)個人4.5%、世帯7.9%で、『ホンマでっか』はテレビ東京を除く民放最下位に終わっています。最近は再び専門家を立てるような形式にシフトしつつありますが、かつての“尾木ママ”こと教育評論家・尾木直樹氏のようなスターが生まれるわけでもなく、テーマごとに新しい人材を探して当てはめている状況。正直、番組としての賞味期限は終わっています」(同)
さらに、金曜夜9時の『ウワサのお客さま』も不安定な状況が続いている。
「5月26日放送回の視聴率は個人3.3%、世帯5.4%です。10月改編では同枠にドラマ枠が新設されるため、移動するのか打ち切られるのは不明ですが、最近は『ジャンクSPORTS』のように30分に短縮して継続したり、一度『超ハマる!爆笑キャラパレード』としてゴールデンに昇格した『ネタパレ』を深い時間に下げて放送するケースもあります」(同)
「バラエティといえばフジテレビ」というステーションイメージも、最近は薄くなっている。
『人志松本の酒のツマミになる話』のF2視聴率がフジテレビバラエティで断トツな理由 フジテレビで最も人気のあるバラエティは何だろうか? それはズバリ『人志松本の酒のツマミになる話』である。特にF2(女性35~49歳)の支持が圧倒的だという。 「5月...