いまだ騒動の収束が見えない旧ジャニーズ事務所による性加害問題だが、ジャニー喜多川氏が亡くなる前年の18年10月、ある計画が進んでいたことを覚えているだろうか。
当時の各スポーツ紙によると、ジャニー氏が新グループ『2020(トゥウェンティートゥウェンティー=仮名)』の結成構想を明かしたという。
そもそもは13年9月にミュージカル『ジャニーズ2020(トニトニ)ワールド』の制作発表で明かしていた東京五輪に向けての新グループ結成の構想だったというが、当時、これがついに現実となった格好だ。メンバー候補として、現在Snow Manのメンバーとして活躍する当時15歳だったラウールの名前があがっていたことも興味深い。
そしてジャニー氏は、「2020年、外国からもたくさんの方が来られる。その時に彼たち40人が、いろんな劇場でパフォーマンスして、日本のすごさをお見せできたら楽しいですよね」と東京五輪に向けた新しい施策を語っていた。
「ジャニー氏にとって、東京五輪で自ら手塩にかけた所属タレントがパフォーマンスをすることは長年の夢だった。当時の安倍晋三首相とジャニー氏が昵懇(じっこん)だったということもあり『これは実現するだろう』と見る関係者も多かった。だが、その夢がかなわぬままに急逝してしまった。ただ、仮にジャニーズタレントを大々的に五輪に起用した場合、もっと早い時期から海外メディアは『週刊文春』(文藝春秋)などで報じられた過去の性加害を問題視していただろう」(当時のスポーツ紙の五輪担当記者)
結局、コロナの影響で五輪は1年延期され2021年に無観客で開催されることになったが、現状でもし旧ジャニーズタレントを起用していれば〝汚点〟になっていたことは確実だろう。
「五輪の開催前の2月に女性蔑視発言の責任を取り、東京五輪組織委員会会長を辞任した森喜朗元首相です。ジャニー氏は森氏に面会した際、やたらと売り込んだといいますが、森氏はなんとジャニー氏の健康状態があまり良くないと察し、『このまま放っておけばなんとかなる』と再三の陳情を聞き流していたようです。そうしているうちにジャニー氏が死去した」(全国紙政治部記者)
今となれば、森氏のジャッジは正しかったと言わざるを得ない……。