宮迫博之

 元雨上がり決死隊の宮迫博之が、バトル中の霜降り明星・粗品に対して「おれが『アメトーーク!』を作った」と言わんばかりの発言をしたことが波紋を広げている。盟友だったナインティナイン岡村隆史まで苦言を呈しており、そうした宮迫の性格がコンビ解散の要因になったとも指摘されているようだ。

 粗品が4月にトーク番組で宮迫を呼び捨てにした上で「先輩じゃない。あいつ、もう(芸人)やめてるから」と言い放ったことを皮切りに、粗品と宮迫はYouTube動画などで舌戦を展開。宮迫は5月28日に開催された人気YouTuber・ヒカルの誕生日イベントに登場した際、ステージ上で「エンジンかかってきた。粗品に言いたい!」と改めて宣戦布告した。

 宮迫は「テレビに出てた時の俺を超えてから言え!」と、闇営業問題などでテレビ業界から追い出される前の自分のほうが粗品より上だったとマウントをとり、さらに「お前、『アメトーーク!』みたいな番組作ったけ?」と挑発した。

 霜降り明星も冠番組を複数持っている売れっ子だが、宮迫がかつてMCを務めていた雨上がり決死隊の冠トーク番組『アメトーーク!』(テレビ朝日系)の域には達していないと主張しているようだ。

 この発言に対して、宮迫と若手時代から長い付き合いのあるナインティナイン・岡村隆史が、5月30日深夜放送のラジオ番組『ナインティナインのオールナイトニッポン』(ニッポン放送)で言及。周囲では「話題作りや笑いの範疇での煽り合い」との見方があるそうだが、岡村は「俺、M迫さんはホンマに怒ってんちゃうかなと思って。粗品はなんか笑いっぽくやってるような気はしてんねんけど、宮迫さんってグってなるやん。ゴリラ出る時あるやん」と、微妙にイニシャルにしつつ宮迫が「ガチ」になっていると推測した。

 矢部浩之は「やっぱりな、何十年も(下の)後輩にテレビでいろいろ言われたら、『スルーすんのもなあ』みたいな」と宮迫に同情したが、岡村は「それでも、なんかちょっとイヤやってん。『テレビ出てた時の俺を超えてから言うてこい』みたいな。

M迫さん、それは言わんといてと。『アメトークみたいな番組を作ったことあるんか!?』みたいなことも言うてまうわけよ」と苦言を呈した。

 これには矢部も「(宮迫は)自分を保つために自分の実績とか自己評価を高く言ってしまうタイプやんか。これは治らへんから、そういう人やねん」と苦笑し、岡村は「『アメトーーク!』って番組、作ったんは(プロデューサーの)加地(倫三)くんやったりするわけやんか。もちろん一緒にやってきたのはわかるけども。俺らも『めちゃイケ』っていう番組をやらしてもらったけど、あれは片岡飛鳥という演出家がいてのものやんか」と宮迫に釘を刺した。

 岡村が改めて「それ言うてもうたらアカンと思うねん」と話すと、矢部は「だからもうホトちゃん(元相方の蛍原徹)はずっとそういうのをわかっていて、堪忍袋の緒が切れたわけやんか。限界よろしく」と分析。岡村も「そういうことで雨上がり決死隊は解散してしまったんやけど」と語り、こうした宮迫の性格がコンビ解散の要因になったと指摘した。

 その一方、東野幸治は5月31日深夜のラジオ番組で、宮迫の発言について「番組は作っているみんなのもの。一方で冠番組は別。『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』とか、『とんねるずのみなさんのおかげでした』とか、冠番組は若干、その人(メイン出演者)の割合が増えません?」と主張。

その上で『アメトーーク!』に関しては「(雨上がり決死隊の)冠番組やねんから、それは宮迫のもんやし、ホトちゃんのもんやし。雨上がりのもん。だからあながち間違ってない」と宮迫を擁護。

 さらに「周りが『アメトーーク!は宮迫さんのもんですもんね』って言うて、『いや、そんなことない』って言うのが、普通のやり方なんですよ。でも宮迫は狂った人やから自分で言うのよ。それが宮迫の良さやから」と独特の表現でフォローした。

 「番組は誰のものか」という考え方はそれぞれあるようだが、宮迫が後輩の粗品に対して「おれは『アメトーーク!』を作ったんだぞ」とマウントをとったことについては、ネット上で「過去の栄光にすがってるだけ」「自分から言うのはダサすぎる」などと批判的な声が大勢を占めている。いずれにしても、今後しばらくは「宮迫VS粗品」が芸人界の話題の中心になりそうだ。

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