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 17日にさらば青春の光が自らのYouTubeで公開した動画が、24時間を待たずに120万回再生に到達するヒットを見せている。

 動画のタイトルは「フワちゃんについて」。

サムネイルにも厳かな明朝体で「フワちゃんについて」と記されており、神妙な表情の東ブクロがワンショットで写っている。

 今月4日、フワちゃんがピン芸人・やす子に対しXに「おまえは偉くないので、死んでくださーい 予選敗退でーす」とポストを行い、大炎上。タレント活動の休止に追い込まれたのは記憶に新しいところ。その際、さらばの森田哲矢が旧知の仲であるバイク川崎バイクの「BKB(バスケットボール)すごかった」というポストに対して「お前はすごくないので、エンストしてくださーい 廃車でーす」と悪ノリの投稿を行い、プチ炎上したことがあった。

 こうした動きを受けて、明朝体の「フワちゃんについて」というテロップと、神妙な東ブクロのサムネイルである。こんなときのさらばのYouTubeが神妙な内容であるはずはなく、またぞろ便乗と悪ノリの動画であることはサムネイルから明らかだった。

 実際、彼らが「フワちゃんについて」の話をしたのは開始から数分程度。その後は、先輩に「タメ口」を使いそうなタレントや芸人に電話をかけて、相手がタメ口を使ってきたら説教をするという企画にすり替わっていた。表向きは「タメ口を許容することでフワちゃんのように増長し、起こしてしまうであろうトラブルを未然に防止する」というものだが、単にさらばの2人がいきなり電話をかけて理不尽に怒鳴り散らし、相手のリアクションを楽しむというものである。実に不謹慎で、失礼な企画だ。

 最初のターゲットとなったのは、タメ口キャラで知られるギャル芸人・ぱーてぃーちゃんの信子。案の定、先輩である東ブクロにタメ口を使って説教を受けることになるが、持ち前の明るさでやり返された東ブクロは「全然腹立たへんな」と笑い転げるしかなかった。

 続いては、こちらもギャルモデルのゆうちゃみだったが、ゆうちゃみは一切敬語を崩さない礼儀正しさを見せ、さらばの2人を感服させる。「ちょっとそれはそれでと思いましたけど」というスタッフの一言が、いかにもさらばチャンネルらしいところだ。

 その後、東ブクロが親戚でもある後輩のファイヤーサンダー・こてつに電話すると、東ブクロの意外な過去の発言が掘り返されたり、森田が電話をかけた野呂佳代がラジオの生放送の4分前で、そのラジオに悪い影響を与えたりと、状況は段階を追ってエスカレートしていく。

 そしてラストは、さらばの2人より先輩のライス・関町知弘。関町より年上の森田が敬語で話しかけ、タメ口で返してきた関町に年下の東ブクロがキレまくるという、もはやよくわからない関係性が発生し、関町から「俺、関町だけど?」というパンチラインを引き出していく。

 さらばのYouTubeには、時おり“笑いの神”が降りていると感じる瞬間がある。今回もそうだった。キャストが変わるごとに、物語が大きくなっていく。実にくだらない動画だが、確かに奇跡が起きている。だから、あっという間に120万再生などという非常識な数字を叩き出す。

 不謹慎と失礼を、おもしろさで超えていく。そこに「笑い」というジャンルのロマンを見るのである。

(文=新越谷ノリヲ)

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