7月に開催された格闘技大会『超RIZIN.3』で朝倉未来に1ラウンドKO勝ちした平本蓮が「ドーピングしたのでは」と疑われている件について、格闘家の赤沢幸典が「平本はドーピングに手を染めた」「自分がドーピングの方法を教えた」と告白。格闘技ファンに衝撃が広がっている。
問題の朝倉戦では、平本がわずか1ラウンド2分18秒でKO勝ち。世代交代をうかがわせる衝撃の試合となったが、平本が短期間で肩回りなどの筋肉量を大きく増加させたことで「ドーピング疑惑」が浮上。さらに、平本とされる人物と何者かがドーピングについて話している「証拠音声」がネット上に投稿されたことで騒動が拡大していた。
RIZINの榊原信行CEOは「平本蓮選手も朝倉未来選手も両選手検体を採取しています。それを空輸でアメリカの検査機関に送っています。検査結果が来週中には出てくると思います」とし、検査結果がすべてだと強調。平本もファンイベントで疑惑を否定したとされている。
そんななか、過去に平本のセコンドにつくなど親交が深かった赤沢が、28日付のSNSに「一連の平本蓮のドーピング疑惑について」と題する長文の告発文を投稿した。
赤沢は自身もドーピングをしていた過去を明かした上で、平本から「RIZINの尿検査で陽性が出ないドーピングの方法を教えてほしい」と依頼されたと告白。平本がドーピングを意識したのは、朝倉戦のプレッシャーや海外武者修行でフィジカルの弱さを痛感したことがきっかけだったという。
さらに、赤沢は「(平本が)練習を頑張っていたのは事実です。ただ、練習ではこえられない心や身体の壁があることも彼自身よく理解していたことや今回の朝倉未来戦に不正をしてでも勝ちたいという思いから今回のドーピングに手を染めました」と記し、平本のドーピング疑惑は事実であると断言した。
ドーピングに加担したという赤沢だが、朝倉が平本に負けて引退を決めたことで罪悪感にさいなまれ、他の格闘家やRIZINのスポンサーに相談した上で「朝倉未来さんの無念を晴らすか、日本の格闘技界が腐っていくことに目を瞑りつつこの事実を闇に葬り去るか、どちらが人として正しい行いかを天秤にかけて、告発することを選びました」という。
流出した証拠音声で平本と話していたのは赤沢だといい、自身で録音して知人や記者に無償で提供。赤沢は週刊誌で取り上げられると思っていたが、X(旧Twitter)の「復活の日本」なる匿名アカウントで音声がアップされていたという。
証拠音声については「平本とされる人物と話しているのは誰なのか」「誰が録音してなんのために流出させたのか」といった疑問があったが、赤沢の主張が事実ならある程度筋は通っている印象だ。
これに対して平本側がどのように反応するのか注目されるが、赤沢は「この告発後に今まで沈黙を貫いてきた平本側からの予測できる発言は『赤沢から回復剤だと渡されドーピングだと認識をしていなかった』とそもそもドーピングの認識がなかったと取れるような発言をする可能性がありますが、音声にもある通り平本はSARMsをステロイドと認識し、ノルバデックスをケア剤だと平本自身が理解している会話のくだりがあります」とし、「これは平本はドーピングだと理解しながらそれらを接種していた確たる証拠です」とけん制している。
赤沢は「期間的にノルバデックスが体外排出されてる可能性があるので血液検査だけでなく、追加の尿検査や毛髪の検査も念の為実施したほうが確実です。少なくともノルバデックスの代謝物質タモキシフェンが検出できるでしょう」とも記しており、かなりの自信を持って告発しているようだ。
清々しい男と男の勝負として感動を呼んだ世紀の一戦が、試合後にこのような展開になるなんて誰に想像できただろうか。今後の動向によっては、せっかく盛り上がってきたRIZINの人気が弾けるきっかけになってしまう恐れもある。
RIZIN側は今週中には平本のドーピング検査の結果が出ると説明しているが、それが「クロ」なら一発アウト。「シロ」でもまだひと悶着ありそうで、今後もしばらく騒動は収まらなさそうだ。