昨年、2年ぶりに紅白に返り咲き、歌番組、バラエティ、CMなど、幅広く活躍する櫻坂46。最近はメンバーがソロで活動する機会も多いが、冠番組『そこ曲がったら、櫻坂?』(テレビ東京系)で、新たなスター候補が現れた。
「当日の放送でメンバーが挑んだのは、夏をテーマに胸キュンムービーを撮影する企画。メンバー自らが理想の告白を台本にして、監督・主演・衣装など全てをプロデュースするもので、“同級生と”“サークル仲間と”“部活のメンバーと”といった多彩な設定の妄想ドラマが披露されましたが、出色の出来だったのが向井でした。向井の作品は“気になる同級生と、放課後に海辺で”という設定で、方言を交えて非常にナチュラルな演技を披露。メンバーから満点の票をもらい、見事グランプリに輝きました」(アイドルライター)
グループアイドルでは、所属グループが売れても、個人として存在感を発揮するためにさらなる努力や才能が求められる。歌、ダンス、演技など、特技はメンバーによって異なるが、冠番組はグループ外の仕事をつかむ大きなチャンスだ。
「テレビ関係者にとって、グループアイドルの冠番組は公開オーディションのようなもの。番組内での立ち居振る舞いにより、どのメンバーをどんな番組に呼んだら良いかを常にシミュレーションしています。クイズや学力テスト企画で優秀だった子がクイズ番組に出演したり、お絵かき企画でセンスを見せた子が『プレバト!!』(TBS系)に呼ばれたりするのは、その典型です。櫻坂に加え、乃木坂46や日向坂46のいわゆる坂道系グループは、テレビ欄にグループ名が入るだけである程度の数字が計算できるので、誰でも良いから番組に呼びたいのが事実。『ラヴィット!』(TBS系)が頻繁に坂道系のメンバーをシーズンレギュラーに呼んでいるのは、一番わかりやすい例でしょう」(キー局関係者)
実際、櫻坂からは守屋麗奈、武元唯衣、松田里奈、田村保乃あたりがピンでも大活躍している。
「グループアイドルの番組で恋愛妄想企画は定番ですが、実はこれが大事。恥ずかしがったり、笑いに走ってしまうメンバーもいますが、きっちり役を演じきればしっかり後の仕事に繋がり、乃木坂でいえば、生田絵梨花や橋本奈々未はすぐにドラマの仕事が決まりました。ドラマの鉄則として、主演は“棒読み”でも許されますが、脇役に“大根”は許されない。スターは“立っているだけでOK”ですから。その点、あれだけナチュラルに演技できる向井は、ヒロインの友達役などにピッタリ。彼女は現役女子高生ですから、学園モノなどはチャンスでしょう」(同上)
グループの歴史をたどれば、欅坂46からの改名という前代未聞の事態を経験した櫻坂。しかし、混迷の時期を超えてグループは成熟期を迎えつつある。
「欅坂時代はセンターが固定化され、メンバーのスキャンダルが続出。挙句の果てにグループ名を捨てるという決断に至りましたが、2期生は逸材揃いで華麗に復活し、さらに3期生からは山下瞳月が最新シングルでセンターに抜擢され、中嶋優月もバラエティに引っ張りだこで、グループの状態は大変良好です。6月に行われた東京ドーム公演も完全ソールドアウトでしたし、バラエティ番組での活躍ぶりは乃木坂や日向坂よりも上。2022年の紅白落選の屈辱は完全に拭い去りました」(前出・アイドルライター)
今度はグループから人気俳優が誕生するか。