内村光良

 今年も『キングオブコント』(TBS系)のファイナリスト10組が決定し、本番の生放送が10月12日に行われることも発表された。

 いよいよコント日本一決定戦への機運が高まる中、現実的になってきたのが、昨年まで審査員を務めてきたダウンタウン松本人志の“代役問題”だ。

 松本は昨年末の週刊誌報道をきっかけに、今年1月から芸能活動を休止中。以来、『水曜日のダウンタウン』(TBS系)や『ダウンタウンDX』(日本テレビ系)は代役を立てずに放送を続け、『人志松本の酒のツマミになる話』(フジテレビ系)や『まつもtoなかい』(同)は松本に代わるMCを立てるなど、各番組によってさまざまな対応が見られる。

 今日まで松本が芸能活動を再開するという意向は見られておらず、来月12日に迫った『キングオブコント』の審査員席が、昨年までとは違った顔ぶれになることは間違いなさそうだ。

 では、松本の代役に相応しい審査員とは誰なのだろうか。

 昨年まで松本とともに審査員を務めてきたバイきんぐ小峠英二かまいたち・山内健司、ロバート・秋山竜次東京03飯塚悟志の4人が続投するという前提で、その代役候補を考えてみたい。

◎かもめんたる・岩崎う大

 まっさきに思いつくのは、やはり『キングオブコント2013』王者のかもめんたる・岩崎う大だろう。昨年まで、松本以外の4人はすべて『キングオブコント』で優勝を経験しており、その並びにう大が加わっても違和感はなさそうだ。

 さらに、う大は「劇団かもめんたる」に書き下ろした戯曲が2年連続で岸田國士戯曲賞候補にノミネートされるなど、業界内で確固たる地位を築いている。

 また、ABEMAの『しくじり先生 俺みたいになるな!!』では毎年、う大1人が審査員を務めるコント大会「キングオブう大」が開催されており、『キングオブコント』ファイナリストを含む出場者のコントを的確な視点で分析する姿もお笑いファンにはお馴染みだろう。

シソンヌ・じろう

『キングオブコント2014』で優勝を果たしたシソンヌのじろうもまた、多くのコント芸人からリスペクトを集めている1人だ。

 21年には動画配信サイト「Hulu」が開催した「Hulu U35クリエイターズ・チャレンジ」で劇作家の本谷有希子や映画監督の沖田修一とともに審査員を務めて話題になっている。

くりぃむしちゅー有田哲平

 数多くの番組で企画からかかわり、若手のフックアップに余念がないくりぃむしちゅー・有田哲平も候補のひとりといえそうだ。くりぃむしちゅーといえば漫才の印象が強いが、『全力!脱力タイムス』(フジテレビ系)のようなコント仕立ての番組も制作しており、実績は十分。

 有田本人はお笑い賞レースの審査について消極的な発言を繰り返しているが、昨年の『THE SECOND』(フジテレビ系)では「ハイパーゼネラルマネージャー」なる役職を務めるなど、賞レースへの出演に積極的な一面も見せ始めている。

ウッチャンナンチャン・内村光良

 実現の可能性は低いだろうが、やはりもっとも登板が期待されるのはウッチャンこと内村光良だろう。ダウンタウンと並ぶレジェンド格ながら、テレビ東京系で細々と続いているネタ番組『チャップリン』シリーズで10年近くにわたってMCを務めるなど、若手とのかかわりも深い。

 昨年までと同様、『キングオブコント』のMCをダウンタウンの浜田雅功が務めるとするなら、浜田からウッチャンにコメントを求めるというファン垂涎の景色も見られそうだ。

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 いずれにしろ、一晩で芸人人生が変わるのが『キングオブコント』という大会である。ファイナリストたちが納得できる審査員を選んでほしいところだ。

(文=新越谷ノリヲ)

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