渋谷に掲出された、平手友梨奈「bleeding love」の広告

 元欅坂46で女優の平手友梨奈が、10月16日に移籍後初の配信シングル「bleeding love」をリリースすると発表した。同日に何かしら大きな「仕掛け」があることをSNSで匂わせており、新事務所では「歌手路線」を進む可能性が高いようだ。

しかし、これまでソロシングルの売上は右肩下がりで、ネット上で賛否を呼んでいる。

 平手が所属する「クラウドナイン」は9月30日、公式サイトで「シンガー、女優、モデルとして、多彩な才能で注目を集める平手友梨奈の待望の新曲『bleeding love』リリースが決定しました」と発表。都内各所に平手の新ビジュアルを起用した看板が掲出されているとも告知され、リリース日近くにはミュージックビデオが解禁されるという。

 9月28日には、平手をはじめ、事務所社長の千木良卓也氏や歌手のAdoら所属アーティストたちが一斉に「2024年10月16日23時」とSNSに投稿。意味深な予告に「大型コラボ?」「クラウドナイン祭りか」などとファンがざわついたが、同日に平手が新曲をリリースするとなると、平手を中心にした「仕掛け」という可能性もありそうだ。

 平手は韓国の大手プロダクション「HYBE」の日本本社の新レーベル「NAECO」に所属していたが、8月に専属契約が終了。9月より「クラウドナイン」に所属したことが発表されていた。どうやら、新事務所では「歌手路線」で新たなスタートを切るようだ。

 しかし、これに対して疑問の声が噴出している。それというのも、平手の「歌手需要」はあまり高いとは思えないからだ。

 2020年のグループ脱退後初のソロシングル「ダンスの理由」は初週ダウンロード数13,854でオリコンチャート初登場6位と健闘したが、2021年発売の2作目「かけがえのない世界」は週間チャート4位だったものの、初週ダウンロード数は7,133と半減。2024年には、HYBE(NAECO)移籍後初となるシングル「絶望の女神」をリリースしたが、ダウンロード数がさらに激減し、週間チャート38位という悲惨な結果となっていた。

 歌手としては順調とは言い難い状況だが、一方で女優業の評価は高い。2022年のテレビ朝日ドラマ『六本木クラス』、昨年放送されたフジテレビ系ドラマ『うちの弁護士は手がかかる』はいずれもメインキャストとして出演し、視聴者からの評判がよかった。

 そのため、ネット上では「せっかく女優として評価が高まってきたのに、なぜまた歌手売りなのか」「今度は歌手路線?俳優は分からなくもないけど…歌のほうなんてほぼ実績ゼロからじゃない?」「女優がしたいのか、歌手がしたいのか、ダンスなのか、どれが1番の路線か分からなくなってるような」などと否定的な声が相次いでいる。業界内でも、先述の売上データを基に「歌手路線は難しいのでは」との見方が強いようだ。

 女優路線については、前事務所が積極的にゴールデン・プライム帯のドラマの仕事を入れるなど充実していたはずだが、本人の希望と異なっていたために契約終了となった可能性がある。歌手路線が平手の希望に沿ったものだとすれば、音楽系事務所であるクラウドナインに移籍したのもうなずけるが、それが成功するかどうかは不透明な状況だ。

 先述したように女優としての評価は高まっていたが、最近は同じ「山口百恵のような昭和アイドルの香りがする若手女優」として河合優実が台頭し、女優路線も厳しくなっていたと見る向きもある。実際、平手はサントリーコーヒー「クラフトボス」のCMに出演していたが降板し、現在は河合がその穴を埋めるかのように同CMの出演メンバーに加入した。

 そういう意味では、歌手路線は彼女にとって「背水の陣」といえるのかもしれない。どのように平手を歌手として売り出していくのか、新事務所の手腕に注目だ。

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