元欅坂46の平手友梨奈の新曲「bleeding love」の売上が苦戦している。同じ事務所になったAdoとのコラボなどで話題性を高めたはずだったが、それも空しく「歌手需要の低さ」が浮き彫りになっている。
平手は韓国の大手プロダクション「HYBE」の日本本社の新レーベル「NAECO」に所属していたが、8月に専属契約が終了。9月より歌手のAdoらアーティストが多数所属する「クラウドナイン」に移籍し、10月16日に移籍後初の配信シングル「bleeding love」をリリースした。
リリース日の16日には、フジテレビ系で放送されたクラウドナイン創立5周年特番『雨音』で、平手がAdoと一夜限りのスペシャルコラボを披露。Adoがヒット曲「唱」を歌っている横で、平手がAdoと同じ「檻」に入ってダンスするという内容だった、移籍後すぐに看板アーティストとコラボさせたことから、事務所の平手へのプッシュの強さをうかがわせ、注目度が高まったことで新曲の売上も伸びるかと思われた。
ところが、新曲はオリコンの16日付「デイリーデジタルシングル(単曲)ランキング」で初登場2位になったものの、ダウンロード数は1,997DLと低調。単に強力なライバルがいなかったので順位が高かったようにも思われ、実際に翌17日付ランキングでは特番の効果もなく9位に後退し、18日付ランキングで早くもトップ10圏外へ消えてしまった。
2020年のグループ脱退後初のソロシングル「ダンスの理由」は初週ダウンロード数13,854DL、2021年発売の2作目「かけがえのない世界」は初週7,133DLを記録。2024年に発売したHYBE(NAECO)移籍後初のシングル「絶望の女神」は初週1,324DLで、それに比べれば今作は少し持ち直しているものの、勢いがあったころと比べると寂しい数字になりそうだ。
「Adoとのコラボ」という現事務所で最大級の売り出し方をしながら、この結果となってしまうと、今後のセールス戦略はかなり厳しくなるだろう。
近年の平手といえば、2022年のテレビ朝日系『六本木クラス』、昨年放送されたフジテレビ系『うちの弁護士は手がかかる』などメインキャストを務めたドラマでの演技が好評で、女優としての評価が業界の内外で高まっていた。
『うちの弁護士は手がかかる』は新作スペシャルドラマと映画版の制作が決定していたそうだが、10月3日発売の「週刊文春」(文藝春秋)によると、平手側が最近になって「芝居の仕事はしばらくやらない」と降板を申し入れたという。いわば「ドタキャン」で、急きょ映画版は白紙になり、スペシャルドラマは平手抜きで撮影されることになるそうだ。
この報道とアーティスト事務所であるクラウドナインへの移籍を踏まえると、平手は女優業を封印し、歌手路線に進みたいのだろうと推測できる。しかし、今のところ歌手としての需要があまり高くないことは新曲の売上が証明してしまっている。
このまま歌手路線を進むのはいばらの道となりそうな気配。かといって女優業に回帰しようとしても、「ドタキャン」が大々的に報じられたとなると芝居の世界に戻るのも容易ではなさそうだ。気づいたら八方ふさがりという状況にならなければいいが……。