今回ツッコませていただくのは、5月11日放送の『しゃべくり007』(日本テレビ)。
ネプチューン、くりぃむしちゅー、チュートリアルの3組7人によるバラエティーなのだが、この日ゲストにやってきたのが、叶姉妹(with「グッドルッキングガイ」×2)。
今回あらためて感じたのが、叶姉妹のスーパーセレブ姉妹という"設定"のブレのなさ。
まずは毎回行われる、ゲストへの「ギリギリ」質問。ゲストが「OK」か「NG」かを自ら判断するわけだが、メンバーから出た質問は、「なんでそんなにお金持ちなの?」という、根本的な疑問から、「すぐ連絡がとれるセレブは?」「×××は?(モザイクはいってたが、『性感帯』かと)」「ファーストキスは?」「嫌いな芸能人は?」などなど。
このなかで「NG」とされたのが、普通の場合だとゆるい部類の質問である「ファーストキス」。彼女たちがいうところの、叶姉妹として「発見」される前の、"生身"が見えそうな事柄だけはNGということだ。
べつに、「私が、叶恭子として『発見』される前、世を忍ぶ仮の関西の中学生だったころなのですが......」という前置きして話しても全然よさそうなのだが、設定にない部分は「存在しない」と徹底してます。
いちおう、質問に対しての答えは、「お金持ち」→「やっぱり、貢いでもらったりとか? ねえ?」。"ねえ?"とか言われても。だが、それで済まされる空気にするお姉様の力技。ブレない2人に、そこをツッコんだり掘り下げてもしょうがないので、メーンで仕切るくりぃむ・上田も「じゃあしょうがない」といった感じで、そのまま泳がす。勝手に泳がせたほうが、面白いから。ちなみに、一番大きなプレゼントは、「島」だそうです。
もともと、得体の知らない謎のゴージャスセレブ姉妹として登場してきた叶姉妹。いつの間にか、「勝手気ままなお姉さま」と、そのワガママに応え続ける「美貌の敏腕秘書兼マネージャー兼運転手」といった、完全なる上下関係が定着している。
極端に言えば、設定が私生活まで及んだ「カンペキな髭男爵」みたいなものだ。「セレブのお漫才」みたいな。美香さんは、ものすごくクオリティの高いひぐち君なのか。
当初のダブルセレブのままだと、単なる珍獣のような扱いで長持ちしなかったかもしれないが、上下関係ができたとこで、美香さんに対して「お姉さんにふりまわされてかわいそう」といった庶民側視点をもてる。
「姉はこういう人ですので」と笑うポイントを誘導してくれるし、「やりたい放題の姉」と「それを許す妹」というポジションから、MC側も「そんなことまで美香さんやらされるんですか!?」といった感じに、実に打ちやすいトスをあげてくれる。
今のトークバラエティーのスタイルからすれば、とてもやりやすい存在なんだろう。そのシフトチェンジなんかをもし全部計算でやれてるんだったら、相当すごい。アニメDVDは売れなかったみたいだけど。
他にも、「連絡がとれるセレブ」→「モナコの国王」で、「性感帯は?」→「脳」......。なるほどなあ、一味違うオモシロ回答を返してくれる叶姉妹(というか、恭子さま)。
さらに、美香さんに「お嫌いな芸能人は?」と聞いたところ、恭子さまをチラ見して、「こういった人といると、どうしても大らかになりますから」と、優しい発言。「じゃあ、お嫌いな芸能人というのは、恭子さんということで......」と、ようやくイジれた。
それに対して、「ピー入れといてください」。否定はしないんかい! と、着地しやすい空気にしてくれる。
このやりとりからしてもそうだが、この2人、基本的に声を荒げたり、他人の悪口みたいなものを言ったりしないな。奇しくもデビ夫人が、「冴えないサイボーグ姉妹」と、叶姉妹のことを批判して話題になったばかりだが、「サイボーグ」って、かつてあの北野誠が山本リンダのことをそう言って、謝罪会見をするはめになった地雷ワードだ。あの面倒くさそうだったリンダ事件から、何も学んでいない。休業に追い込まれた北野本人も。整形とかいろんな疑惑や噂もあるが、みんな、「叶姉妹」という芸のため。男前だ。
叶姉妹はそんな面倒くさいこと言わないだろうけど「金持ち喧嘩せず」、そういうキャラなんだから、笑っとけよ、夫人。
(太田サトル)
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