渋谷のギャルたちが、田んぼの米作りや畑の野菜作りに挑戦! という話題が、春ごろからニュース番組などで取り上げられているが、そのギャル農業の仕掛人である、元"ギャル社長"藤田志穂。今回は、9月5日に放送された。
田舎暮らしやら週末農園やらが脚光を浴び、野菜レストランなんかも人気で、有名企業も農業プロジェクトを手がけたりと、にわかに農業ブームの昨今、そこに目をつけ行動に移る早さとバイタリティーはさすがギャル。根底にあるのは「ギャルだって、いろいろ考えてるんだ」「ギャルだからってバカにされたくない」という思いで、横浜銀蝿とかの「オレたちこんな格好してツッパってるけど、いろいろ考えてるんだ」アピール(古いな)や、「ホストの清掃活動」、「雨の中、捨て犬の世話をする番長」みたいな、ギャップ感で好感もってもらうシリーズなのかという印象をもってしまう。
そんなわけで、ギャル社長、とりあえず一人で、ノープランで手ぶらの軽装で静岡県にやってきた。初めて見た富士山に大興奮。そして、カメラに向かって語る。
「日本一の富士山のところで、日本一の野菜が作れるんじゃないか、みたいな」
............。とにかく、言動や行動がいちいち面白い、ギャル社長。さて、野菜を作るためには何をおいても畑が必要だ。どうするのか。
「余ってる畑とか、あったりしないですかね?」
"余ってるか?"って。着替え持ってきてないから貸してくれみたいなノリで、カジュアルだ。
彼女の一番のこだわりが、"ギャルらしさ""カワイイ格好"は絶対崩したくないということ。手足がむき出しの恰好を、農家のオバちゃんたちに、「そんな格好じゃ(種を)蒔けないよ」と言われても、そこは崩さない。花柄のヒール付き長靴を履き、ネイルは外さない。長靴は結局ダメ出しされて途中で履き替えることになったが、ネイルは種をまくときに役立った。そこにかぶるナレーションも、「畑仕事だってカワイクやる。ネイルは絶対外さない!」と、ちょっと熱い感じ。
さて、そんなわけで数種の野菜の種蒔きと苗植えが終わったのだが、水やりとか雑草取りとかどうするのだろうか。ギャル社長は、言う。
「できれば、どれだけ手をかけないかが一番有機野菜っていう部分でもあったりとか」
??
「いい野菜っていうのはまあ、人が手をかけないほうが自然に育ったものっていうので体にいいものにはなると思うので」
???? 放任主義か。「有機栽培」にそういう解釈があったのか! そして、衝撃のナレーション。
「消毒しないと、買ってくれませんよね、誰も」
農家のオバちゃんの言葉が重くのしかかる。現実は厳しい。別の農家の人が言った。
「日曜百姓とかよく言うじゃん。脱サラして田舎に引っ越して(中略)全部余裕のある人の話だから」
本気の言葉、重い。家庭菜園じゃないんだからもっともだ。
「この経験をいかして」ということで、カワイイ形や色の野菜とか作業服、収穫ツアーなんかを「プロデュース」して、農作業はプロに任せるというあたりに着地していくのが現実的か。それだって立派に「ギャルが手がけた野菜/農業」なわけだし。がんばってください。
(太田サトル)
マジキュウリ、ウケんすけど!! 的な
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