今回ツッコませていただくのは、9月2日に放送された『とんねるずのみなさんのおかげでした』(フジテレビ系)。
この日は「新・食わず嫌い王決定戦」の1時間スペシャル。
勝負的には過去4戦、2敗2引き分けの大竹しのぶが、今回も指定メニューのジンギスカンを口に入れて小刻みに震えたり、ヘンな吐息を漏らすなど、"最弱王"の名にふさわしい大活躍(?)で、今回も撃沈だったが、今回、対戦相手の水嶋ヒロの受け答えが、いろいろとおかしくて仕方なかった。
基本的に静かなトーンで、ゆっくりと、ときには吐息まじりのように。
「~しまして」
「......ですね......」
「フランス料理......食いにいくときには......必ず......食べます......」
戦場カメラマン・渡部陽一の話法に近いが、流行ってるのか、これ。ものすごくきれいな顔立ちで、まっすぐな目で、ためを作りながら、
「......ショートケーキ......ですかね......」
「ロールケーキも好き......ですね」
「ヒレですね......」
かなりどうでもいいことも、真面目に言う。姿勢もいい。この声で、何かどうでもいい言葉をふきこむ「水嶋ヒロが絶対言わなさそうな一言」を作れそうなものだが......。
イケメン、帰国子女で語学堪能、サッカーも上手く、慶応大卒という高性能なのに「牛乳でお腹こわす」。ここがこの、完璧超人的な男の突破口見つけた、というところだったんだろう。石橋貴明が何度も「ポンポン痛い」とちゃかせば、本人は、「あの日、ほんとにポンポンが痛くなってしまって」ということを、ものすごくまっすぐな目で言う。吹き出しもせずに「ポンポン」と言うのが、すでに「水嶋ヒロが言わなさそう」な感じなので、ヒロなりのユーモアなんだろうか。
この「ポンポン」突破口から、病気治療のため休業ということもあり、なんとなくいじりづらい妻・絢香との新婚のろけネタをぐいぐい広げてくる貴明。
貴明がクネクネしながら、「ポンポン痛いの? ヒロ」と言えば、「バカにしてませんか?」「カミさんバカにするのは許せない」と憤慨するヒロ。料理が得意で何でも作れるなど、やっぱりここでもまっすぐな目で照れもなく妻をほめられる男・水嶋ヒロなのに。その後も、
「ヒロ~、ポンポンゴロゴロしちゃったの?」→「バカにしないでくださいよ、ウチの女房を」
「聴いて、ヒロ♪ 出来たから」→「それはレッドカードですよ!」
「だいじょうぶ~~?」→「言わないってば!」
と、次々繰り出す貴明の悪ふざけに対して声を荒げるのは、こんな声を出すこともあるんだという、新たな発見だった。
映画宣伝で『BECK』の面々はバンドメンバー揃って出演しまくっていたが、ほとんどの番組で、圧倒的に落としやすい桐谷健太をいじる流れになるため、水嶋ヒロがいじられる場面はまず見られない。桐谷抜きだったことで、俳優・水嶋ヒロのいろんな面、見ることができました。
(太田サトル)
及ばないッス!
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