フジテレビ系ドラマ『東野圭吾ミステリーズ』の視聴率が伸び悩んでいる。第1話の完成披露舞台挨拶で、中井貴一が「これだけのキャストがいて面白くないはずがない。

視聴率が悪かったら、もうドラマは作らない方がいい」と大見得をきったことが話題になったが、フタを開ければ初回こそ11.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)と2桁台であるものの、その後は7.8%、8.8%と決して好調とはいえない数字を連発していた。しかし、伸び悩む視聴率以上に、フジ内には不穏な空気が漂っているのだという。

 『東野圭吾ミステリーズ』は東野圭吾の短編作を原作にした、一話完結のオムニバス形式という一風変わったミステリードラマ。中井貴一はナビゲーター的な役割で全話に登場し、各話には唐沢寿明長澤まさみ鈴木京香ら人気俳優が出演している。この豪華主演陣の影響もあってか、中井は「面白くなかったら東野さんの原作のせい」とまで話していたのだった。

「ところが東野氏が実際に放送を見て、『自分の名前をタイトルに使ってほしくない』と、フジ側に抗議しているというんです。『放送時間内に話を無理やり詰め込んでいるから内容も薄く、原作と比べても出来が非常に良くない』と周囲にも話しているようですね。今後は、続編はおろか、同枠で東野氏の原作ドラマを放送させることも難しくなるかも知れません」(テレビ局関係者)

 原作者の中には「一度作者の手を離れてしまえば、作品は一人歩きするもの」という方針の作家も多く存在するが、やはり自身の名前を冠で使われた上、ドラマ自体にどうしても納得がいかないとあれば話も違ってくるようだ。作品のドラマ化と原作者を巡っては、近年では吉瀬美智子が主演した『ハガネの女』(テレビ朝日系)の原作者も、本編には存在しなかった脚本が不服だったとして、スタッフロールから自身のクレジットを削除させるという事態が発生している。

 期待された視聴率も好調とはいえず、さらに原作者からも抗議が入ってしまった『東野圭吾ミステリーズ』。せっかく豪華主演をかき集めて、話題性も気合も十分で発進したものの、スタートから1カ月の時点でこのありさまとは、今後もフジテレビ関係者の苦悩は続いてしまいそうだ。

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