湊かなえ、桜木紫乃、柳美里――文壇で活躍する、ママ作家の光と影

湊かなえ、桜木紫乃、柳美里――文壇で活躍する、ママ作家の光と影

 辻希美神田うの辺見えみり小倉優子など、ママタレが芸能界を席巻している昨今、文壇でもママ作家が活躍している。最近では、川上未映子が出産で産休に入ったのも記憶に新しいが、育児と並行しながらヒット作を生み出す女性作家はたくさんいる。

「2008年のデビュー作『告白』(双葉社)が、250万部を超えるヒットとなった湊かなえは、現在小学6年生のお子さんがいて、運動会を見にいくために原稿を早めに上げるという子煩悩さ。同作の執筆中は、お子さんがまだ小学校低学年で一番が手の掛かる時期だったにもかかわらず、一度も原稿を落としたことはなかったとか。また、『図書館戦争シリーズ』(角川書店)で知られる有川浩は、子どもの教育に熱心なママだと、よく編集者の間で名前が挙がりますよ。体操教室に通う子どもの送り迎えをしているという話も聞きます。それから、直木賞作家の桜木紫乃も、朝6時に起きて娘さんのお弁当を作り、原稿に向かう生活をしていると語っています」(雑誌編集者)

 一方で、子どもとの関係性や、子育てに問題を抱え、それを世間に公表するという作家もいる。

「金原ひとみは、11年の『マザーズ』(新潮社)で、手の掛かる子ども、育児に協力してくれない夫などの狭間で揺れている母の姿を描きましたが、インタビューで『娘が二歳になるころまで、私自身いつ虐待に走ってもおかしくないくらい追いつめられていました』とストレートな言葉で語り、世間に衝撃を与えました。また、柳美里が長男への虐待疑惑で騒動になったことも。長男について『あまりに嘘つきなので(そして次から次へと嘘をつきつづける)朝7時から15時までひっぱたきまくり、学校休ませ、罰として朝食も昼食も与えていません』とブログに書き、大批判を浴びました。その後彼女は、『虐待カウンセリング』を受け、その一部をNHKスペシャルで公表しました」(同)

 このように、子育ての壁にぶつかってしまうのは、「実世界とはまったく関係ないストーリーを書く作家よりも、やはり自分の人生を切り売りし、経験を全て小説につぎ込んでしまうタイプの作家に多い」(書籍編集者)という。

「しかし女性作家は、向田邦子や樋口一葉など、私生活に何らかの問題を抱えていた人物の方が、歴史に残る作品を生み出す……という見方もあります」(同)

 育児が作品にも関連付けられてしまう女性作家たちだが、これもまた小説家の“さが”なのかもしれない。

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