下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の“欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!

 気になる情報が。

紛争地などでの取材に定評のあるジャーナリストの安田純平氏がシリアで拘束されたのではないかといわれている。しかし政府官邸は「確認していない」「情報は入っていません」と知らぬ存ぜぬを決めている。大手マスコミもこれを報じてはいない。先頃のイスラム国人質事件の経緯と同様、自国民を守る姿勢があまりに希薄で冷淡な反応だが、今後の情報、推移を注視したい。

第274回(7/10~14発売号より)
1位「バナナマン日村勇紀 “息子溺愛”の実母が本誌に激白…『“あんな女”と結婚は…絶対なし!!』(「女性自身」7月28日号)
2位「ビッグダディ 次男熱志が明かす(秘)真実――『“母親失格”美奈子は今も許せない!』」(「女性自身」7月28日号)
3位「安保法制で米軍のために病院から締め出される日」(「週刊女性」7月28日号)

 あのカップルがまったく“らしくない”お家柄名家騒動(?)を巻き起こした。バナナマン・日村勇紀と神田愛花アナウンサーだ。

 思えば2人の交際が発覚したのは今年4月の「フライデー」(講談社)だった。当初、世の中は「妙なカップルだな」といった程度の感想だったはずだ。だから、どうした!? と。しかし、その後の2人は交際を見せびらかすかのような言動を続けた。もっと見て! もっと注目して! と。もちろんそれは神田の方が顕著だった。
元NHKのアナウンサーだった過去が嘘のように。

 そもそも「フライデー」された当日、神田はTwitterにこうつぶやいている。「おはようございます! 今日は朝からお騒がせして申し訳ありません。今日も1日、全力で頑張ります!!」。前向きというか、はしゃいでいるような。

 そして7月4日、神田はこれまでになく最大の爆弾を落とした。『躍る! さんま御殿!!』(日本テレビ系)で、母親から交際を大反対されているというのだ。その理由が高学歴でなく、生まれつきのお金持ちでない。しかも、見た目が速水もこみちのようではない――。おいおい。どこの馬の骨ともわからないブサイクな男と言ってるに等しいが、案の定ネットでは大炎上となった。もちろん、公共の電波でこき下ろされた形の日村への同情だ。


 ところが、さらなる爆弾が投下された。それを放ったのが「自身」である。神田母の交際反対を受けて、「自身」は日村の母親の元に向かった。自分の息子を、家柄をこき下ろされて、どう思っているのか聞くためだ。だが、日村ママはすごかった。神田ママ以上に。

 その詳細な様子は「自身」を読んでもらうとして、凄い剣幕で「結婚なんて絶対にない! 絶対に!」とリピートしたらしい。なんでも日村ママは次男である勇紀を溺愛していて、神田には怒り心頭なのだ。予想以上の収穫だった「自身」だが、確かに目の付けどころがいい。面白い。神田にしても、ここまでの反応は予想していなかっただろう。話題になりし目立つし、ネットニュースになるかも、なんて軽い気持ちが――。
まあ自業自得とはこのことを言うのだろう。

 しかし神田って何者? とあらためて思う。「フライデー」にしても自ら情報を流した節があるし、ぶりっこ? 天然? 勘違い? 目立ちたいだけ? 狡猾? 手段を選ばず系? さまざまに言われるが、「妙」なことだけは確かだ。しかし、子どもの交際相手をお互いにここまでこき下ろせる母親を持つって、実は “家庭環境も似ている”お似合いのカップルかもしれない。

 もし2人の交際が今後も続くのなら、ママたちのバトルをもっと見たい。バラエティに呼んで公開ママバトルでもやれば、視聴率がいいかも。神田もさらに目立てるはずだ。

 なぜか今になってビッグダディの21歳の次男・林下熱志が自伝を出すらしい。それが『ハダシの熱志』(ぴあ)だ。義母だった美奈子の『ハダカの美奈子』(講談社)のパロディのようなタイトル。すっかりダディも美奈子も飽きられたため、今度は子どもたちによる“大家族商法”かと思いきや、実はこれ、美奈子の“大批判本”だという。

 笑える。
帯には「林下家の子供たちはみんな美奈子が嫌いだった!!」とあるらしいので、結局は便乗本なのだが、「自身」に引用された本の内容を一部見ると、いろんな疑問が解けていく。

 常々ビッグダディは弱小、中小企業の社長になりたい人だと思ってきた。一代で築いた小さいながらも会社。家庭的な社長(ダディ)とそれを慕う従業員に囲まれ、義理人情を駆使しながら威張る。でも、ダディはそんなことができなかったから(これまでのシリーズでも仕事があまりできるタイプではないことは明らかだ)、子どもを沢山作って、自分の配下に置いた。洗脳した。育児を、家事を、一手に手掛けた。

 ダディの洗脳は大成功だった。それを次男の言葉が証明してくれた。

「もともとオレたちは『きよしさん、きよしさん』で来ていて、我が家では一番大切な存在だ。美奈子さんは、そんな清志さんより前に出ようとする」 

 確かに、子どもたちはダディのことを「清志さん」なんて呼んで、敬語で話す。ダディをまるで尊敬すべきボスのように見つめる。
しかし、妻である美奈子は違った。キツいことも言う。当たり前だ。夫婦だし、あんなに沢山子どもがいるし。しかし幼い子どもたちは、それに違和感を持ち嫌悪した。それも当たり前だ。ダディにそうしつけられたのだから。
 
 そんな一家に、子どもたちの実母さえ耐えられず離婚。その次に来た美奈子も、さらにその次に来た女性も去っていった。もちろん次男には罪はない。悪いのはそんなふうに小さい頃から子どもたちを洗脳、仕向けたダディだから。そんな大家族に溶け込むには1つしかない。
子ども以上にダディに洗脳され、何をされようとも何を言われようとも、従属すること。できるワケない。

「自身」では、次男の本についてダディがブログに書いたあまりに無責任で、他人事なコメントを紹介し、批判している。同感だ。さまざまな賛同と批判を浴びたダディ一家のドキュメントだったが、結局は仕事を転々とする独りよがりな父親に振り回され、それでも慕う子どもたちのなんとも気の毒な物語だったのかもしれない。

 女性週刊誌の社会派記事が注目を集めているが、今週の「週女」も、身近でわかりやすい視点で安保法制批判を展開している。それが医療だ。

 現在でさえ、医師不足や救急車でのたらい回しが問題になっているが、もし有事や戦争となれば、民間の医師や看護師が徴用され戦地に行く可能性がある。それだけでなく医療行為や薬品さえも兵士優先になり、一般の人の医療が制限される恐れがある――。

 生活視線で安保法制の問題点を浮き彫りにする。今後も、こうした視点の記事を期待したい。

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