10月23日、ジャニーズ事務所のジャニー喜多川社長が84歳の誕生日を迎えた。今回はバースデー記念として、所属タレント以上に“役者”が揃っているジャニーズ事務所のトップ陣営――ジャニー社長、姪の藤島ジュリー景子氏、SMAPのチーフマネージャー・飯島三智氏の功績や近年の動きについて振り返ってみたい。
■“気まぐれ人事”を続けながらもまだまだ現役のジャニー社長!
1962年、自身が集めた野球チームのメンバー4名でジャニーズを結成。1975年、正式に株式会社として法人登記された後は数々のスターを輩出・作品をプロデュースし、日本芸能界に一大帝国を築き上げた。
【近年の動き】
80歳を超えても、舞台のプロデュースなどに尽力しているジャニー社長。2012年5月頃には車椅子姿で現場に現れたと業界内で話題になったが、これは一時的な体調不良だったのか、その後も自らの足でジャニーズの舞台を観劇する姿が目撃されている。
ジャニー社長といえば「Sexy Zone」といった珍妙なグループ名をつけるなど、独自のアイデアセンスにあふれている。時には“思いつき”とも思える構想をぶち上げることもあり、13年3月には2020年の東京五輪に向けて40名からなる大型ユニット「2020(Twenty Twenty)」の結成を発表。『ザ少年倶楽部』(NHK BSプレミアム)でしばらく話題を引っ張ったが、ここ最近はユニットに関する報告もないため、ファンから「Twenty Twentyってどうなったの?」「トニトニ問題はどこへ行った」というツッコミが定期的に出ている。
また、昨年は『Live House ジャニーズ銀座 2014』の開催にあたり、「Sexy Boyz」「Sexy Champ」「Sexy Age」「Sexy Jr.」と「Sexy」を乱用していることで「ジャニーさんSexy好きすぎ」と話題に。今年は久しぶりに気合の入ったJr.内ユニット「Mr.King vs Mr.Prince」(平野紫耀、永瀬廉、高橋海人、岸優太、岩橋玄樹、神宮寺勇太)を作るも、早々に解体疑惑が浮上。12月~来年1月に上演される舞台『ジャニーズ・ワールド』に出演する平野、永瀬、高橋が「ポポロ」15年12月号(麻布台出版社)では「Sexy King」という表記で、「Mr.Prince」の3人は「岩橋&神宮寺&岸」という簡素な括りになっていたのだ。ジャニー社長の「Sexy」ブームが再び到来したのかは定かではないが、ファンを困惑させている。
とはいえ、近年はジャニーズWESTのデビューに際し、当初発表されていた4人(中間淳太・桐山照史・重岡大毅・小瀧望)ではなく、メンバーの直談判により3人(藤井流星、神山智洋、濱田崇裕)の加入を受諾。
■嵐をブレイクに導いた次期社長・ジュリー氏
ジャニーズ事務所副社長で、01年に嵐のプライベートレーベルとして株式会社ジェイ・ストームを設立。TOKIO、Hey!Say!JUMPのほか、内部レーベルを含めてKAT‐TUN、関ジャニ∞も在籍。同社は嵐主演映画『ピカ☆ンチ LIFE IS HARDだけどHAPPY』やV6・岡田准一の『おと・な・り』、関ジャニ∞・渋谷すばるの『味園ユニバース』など映画製作・配給も積極的に展開している。嵐が先生役となり、ファンに授業を行う『嵐のワクワク学校』も手掛けている。
【近年の動き】
1999年にデビューして以降、イマイチ勢いがなかった嵐を立て直したと言われているのがジュリー氏。最近は嵐人気も定着したため、関ジャニ∞やHey!Say!JUMPを嵐の“バーター”(抱き合わせ)としてドラマやバラエティに出演させるなど、後輩の育成にも精力的。実際、関ジャニ∞やHey!Say!JUMPは知名度・露出アップに成功し、これまでテレビ仕事に関して飯島氏の管轄に近かったHey!Say!JUMPがジュリー氏の元で大活躍。今夏は初の冠番組『いただきハイジャンプ』(フジテレビ系)がスタートし、『24時間テレビ 愛は地球を救う』(日本テレビ系)のパーソナリティも務めた。
さらにジャニーズWESTは、重岡大毅が関ジャニ∞・錦戸亮主演で昨秋放送の連続ドラマ『ごめんね青春!』(TBS系)に出演したほか、今年も藤井流星が嵐・相葉雅紀主演『ようこそ、わが家へ』(フジテレビ系)、錦戸主演『サムライせんせい』(テレビ朝日系)にセットで登場させるなど、売り出し中。
そんなジュリー氏は、メリー喜多川副社長が「週刊文春」(文藝春秋、1月29日号)のインタビューで「次期社長」と明言したため、ジャニー社長の後継者にめでたく内定。ちなみに、ジュリー氏は交渉スタイルが母であるメリー氏と似ていることから、一部関係者の間では「ミニメリー」と呼ばれているとか。
■“SMAPの育ての親”こと敏腕マネージャーの飯島氏
ジャニーズ事務所の事務員として勤務していたが、飯島氏がSMAPのマネジメントを担当したことで、グループを国民的アイドルにまで成長させた。テレビ各局と太いパイプを作り、プロデュース能力の高さを武器にバラエティ・ドラマへタレントを送り出している。
【近年の動き】
11年のデビュー後、SMAPとのバーターや「ブサイク」を押し出した“自虐売り”でKis‐My‐Ft2の知名度をあげた飯島氏。「ウォータリングキスミントガム」のCMや『キスマイBUSAIKU!?』(フジテレビ系)など、ジャニーズファン以外の一般層にインパクトを与える企画を持ってくるのが飯島氏の特徴。一方で、嵐ら後輩の猛追を受けているSMAPのプロデュースにも余念がない。13年の『SMAP×SMAP SMAPはじめての5人旅スペシャル』(同)や、今年の『NHKのど自慢』の70周年キャンペーンキャラクターなど、定期的に「やっぱSMAPって良いグループだね」と世間やファンに再確認させるような仕事も入れるという神業を見せている。
またキスマイ以降はジャニー氏に近いSexy Zone、A.B.C‐Zの売り出しも活発化。最近では「飯島枠」と言うべきか、民放の複数の番組でキスマイ、Sexy Zone、A.B.C‐Zの宣伝・露出番組をキープ。
SMAPから後輩グループのキャスティングまで大忙しの飯島氏だが、「文春」でメリー氏が「SMAPは踊れない」と発言したり、飯島氏への批判を繰り広げたことにより、独立説も囁かれている。東京スポーツでは「向こう側」という意味になるSMAPの新曲「Otherside」(9月発売)に「切り開いて! Our way Go」といった意味深な歌詞があると報じていた。
【番外編】波紋を呼んだメリー氏の“ご乱心”
先述のように、ジャニー社長の姉であるメリー氏は「文春」で数々の“爆弾”を投下。昨今、ファンの間で問題視されている派閥問題について「派閥があるとしたら、うちの恥」と否定した上で、インタビュー中に飯島氏を呼びつけるという女帝ぶりを発揮。ジュリー氏と飯島氏に問題が発生しているのなら「飯島は辞めさせます」と本人を前に明言し、まるでSMAPや飯島氏は“よそ者”のような表現をしておきながら「SMAPだって本当に仲良しだから」と、良好な関係をアピールする一幕も。「ジャニーなんか韓国語も全部喋れますからね」といった、さりげない“家族自慢”も交え、最後には涙を流しつつ近藤真彦との思い出話や自身の半生を振り返るという、傍若無人さが際立っていた。