ジャニーズを代表する演技派、V6岡田准一の主演映画『海賊とよばれた男』(山崎貴監督)が、12月10日に公開初日を迎えた。作家・百田尚樹氏の同名ベストセラー小説が原作とあって、大ヒットが期待されていたが、「出だしから、まったくの期待はずれでした」(配給会社スタッフ)という。



 興行通信社の発表によると、全国426スクリーンで開幕した同映画は、オープニング2日間で動員22万4,000人、興行収入2億8600万円を記録。初週の映画ランキングでは、同日公開である『モンスターストライク THE MOVIE はじまりの場所へ』と、『仮面ライダー平成ジェネレーションズ Dr.パックマン対エグゼイド&ゴースト with レジェンドライダー』がそれぞれ1位と3位にランクインする中、『海賊とよばれた男』はベスト3入りを逃し、なんとか4位に食らいつく格好となった。

「『海賊とよばれた男』の主人公は、出光興産創業者の出光佐三をモデルにした国岡鐵造。戦後の日本の復興を願い、石油業に乗り出す国岡や、その周囲の人々の姿を描いた物語で、原作は、上下巻累計で420万部突破の大ベストセラーを記録しています。岡田は2013年、同じく百田氏原作の山崎監督作品『永遠の0』で主演し、興行収入87億6000万円の大ヒットを記録。『海賊とよばれた男』も同じ布陣で制作されたため、関係者は『今回も大ヒット間違いなし』と期待していたといいます」(同)

 しかし、フタを開けてみれば、初週の興収は『永遠の0』の約半分に留まった。

「こんな低空スタートでは、前作越えどころか足元にも及ばない結果になる可能性が高い。ネット上に寄せられたレビューでも、『詰め込みすぎ。2時間半の映画にするには無理があったのでは?』『原作ファンにとっては物足りない』『2部構成にするべきだった』などの声が多数上がっています。原作が上下巻に渡る大作なだけに、無理やりまとめた感に不満を抱いた客が多かったようです」(同)

 ほかにも、「岡田くんに綾瀬はるか染谷将太などキャストは豪華なのに、内容が薄くてもったいない」「岡田くんの演技はさすがだっただけに、脚本が惜しい」といった意見が多く、「原作をもっと生かせる構成にしていれば、今とは違う評価が得られていたかもしれない」(同)との指摘も出ている。

「もう1つ、“殉愛騒動”で、百田氏に不信感を抱く人が増えたというのも、興収が伸び悩んだ原因と考えられるかもしれません。14年に百田氏が手がけた、故・やしきたかじんさんと妻・さくらさんのノンフィクション本『殉愛』(幻冬舎)について、読者ややしきさんの関係者から『一部捏造された内容ではないか』という指摘が噴出し、ネットが大炎上。
百田氏は、多くの人々から疑惑の目を向けられるようになり、アンチが急増したんです。ネット上にも、『百田が嫌いだから、映画は見ない』といった声が散見されています」(同)

 船出したばかりの『海賊とよばれた男』が、早々に沈没しないことを願うばかりだ。

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