それに対し「疲労感」というのは、“疲れた”と感じる感覚的で曖昧なもの。激しい運動でも、楽しければ疲れは感じにくいでしょ。逆に、会議などつまらないことをしていると座っているだけですぐに疲れた気がしますよね。つまり、実際の疲労度合いと疲労感は大きく異なります。そのため「疲労感」だけ取ってしまえば、「疲れが取れた」と錯覚させることができてしまうんです。

――タウリンに疲労回復の効果はまったくないんですか?

梶本 タウリンは肝機能を改善する効果は報告されていますが、元来は神経を鎮める作用がある抑制物質ですから、そもそも元気になるはずがないんです。実際、CMでも「タウリン○ミリグラム配合」と謳っているだけで、「タウリンが疲労に効く」とは一言も言ってません。もし、製薬会社が「タウリンが疲労に効果がある」と宣伝すると薬機法違反です。もし「タウリンが疲労に効く」という印象を持たせているなら、巧妙なイメージ操作です。

――風邪薬と栄養ドリンクを一緒に飲むと回復が早いといわれていますが、併用で効果的になるということはないんですか?

梶本 風邪薬には抗ヒスタミン剤が入っているので、眠気を誘います。カフェインを同時に摂取すると一時的にその眠気を覚ましてくれるので、感覚としてなんとなく元気になった気がするだけのこと。風邪薬の効果が増すわけではありません。

◆栄養ドリンクをめぐる大人の事情

――では、なぜ効果のない栄養ドリンクが、長年、疲労回復薬のように扱われているのでしょうか?