昨年、主演したドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)以来、星野源の人気が急激に高まっている。異様とも思えるその「爆発ぶり」に業界人も驚いているようだ。



 まず、その“高まり”は明確に「数字」に表れている。Amazonで売り出されている6thシングル「地獄でなぜ悪い」(2013年)の価格は3月16日現在でなんと、4万1,950円。Amazonの価格変動の仕組みについてはここでは触れないが、わずか4分足らずの曲で4万円超の値がついているという異常ぶり。もちろんPVのメイキング映像など特典DVDがついた「初回限定盤」であり、プレミアがつくのも無理はないのかもしれない。

 「正規の値段は1,785円です。約70分の映像作品を収録したDVD付きなのでファンの間では『かなりお得』という声も聞こえてきますが、ほかにもAmazonでは7枚目のシングル『Crazy Crazy/桜の森』(14年)の初回限定盤が3万6,000円、昨年『逃げ恥』のテーマ曲として大ヒットした『恋』でさえ、モノによっては8,280円で売られています(16日現在)」(芸能ライター)

 さらに星野バブルを印象付けているのが、彼が声優に挑んだアニメ映画『夜は短し歩けよ乙女』(4月7日公開)の完成披露上映会だったという。

「9日に行われた上映会のチケットは、本人が登壇することもあり、売買サイトのチケットキャンプでは安くても1枚6,900円、最高値でなんと6万円で売られていました。ほかにも5万5,000円、3万9,800円などのチケットも出品されていましたが、全て完売。もちろん、星野のほかに、ロバート・秋山竜次や人気声優の神谷浩史も登壇したので、彼らのファンも詰めかけたのですが、中心は星野ファン。5月から始まる星野の単独ツアーでは、チケットの転売対策にも力を入れている様子ですが、どこまで価格が高騰するのかファンも気が気でないでしょう」(同)

 一体、どうしてそこまで星野人気がスパークしているのだろうか?

「世の中には、ジャニーズ系やイケメン俳優が苦手な女性もいる。ジャニーズだけでなく、菅田将暉山崎賢人野村周平といった20代のイケメン俳優が昨今のテレビで幅を利かせる中、『安心できる顔』で、かつ36歳という『安心できる年齢』の星野に、そうした女性たちが磁石のように惹きつけられているのでは。しかも、ブレークするまで意外と下積みが長かった点もファン心理をくすぐっている」(同)

 確かに、ドラマ『WATER  BOYS』やNHK朝ドラゲゲゲの女房』といった有名な作品に出演していたり、大塚製薬の「ファイブミニ」のCMに、かつて上野樹里と何本も共演していたといった経歴は、過去をさかのぼり、星野を「発見」する楽しみをファンに与えているだろう。


「業界的には、彼が『逃げ恥』のあと何に挑むのか次回作が期待されていましたが、それをドラマでも実写の映画でもなく、アニメの声優を選んだのは、ある意味戦略的に賢いなと思いましたね。まずワンクッション置いてから、本格的にその人気を維持できる“次の作品”を選んでいくのでしょう。夏にはWOWOWで主演ドラマ『プラージュ』が放送されますが、WOWOWを選んだところもうまい。所属事務所も、これを一過性のブームに終わらせるのではなく、10年、20年単位で彼を育てる腹積もりなのでしょうね」(業界関係者)

 だが、今のような“特需”はいつまでも続かない。アーティストとして、俳優として、彼の今後に期待したいところだ。

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