“ほれた弱み”だったのか“黒魔術”の力なのか。不幸な結果が生まれている。
私のところに、船越の関係者から、「船越が松居からDVを受けている」という情報がもたらされたのは約10年前。その時に頭に浮かんだのが、松居が一度目の離婚で書いた「バブル亭主、ゼネコン、銀行との『わが闘争』…黙って死ねるか!」(新潮社「新潮45」1998年11月号)という手記だった。ファッション業界で一世を風靡していた1歳年上の男性との出会い。お互いにパートナーがいた中での交際。男性は、松居と交際中に、松居とは別の女性と超豪華挙式・披露宴を行った。しかし、松居との交際は続き、その後、男性は離婚して、松居に本格的にプロポーズ。バブルの申し子のような男性は、数分で何百万円の買い物をしてしまうこともあったらしい。
この「玉の輿結婚」は、3年後に長男に恵まれたが、長続きはしなかった。バブル夫に松居よりも10歳以上若い愛人がいたことが判明。夫の浮気発覚と謝罪の繰り返し。松居は探偵事務所に「夫の浮気調査」を依頼しようと考えるが、費用が高額だったために断念。自力で調査を開始した。外務省で夫の出入国記録を入手。航空会社では夫の隣に誰が座っていたかを調べ、ホテルのルームサービスで何を注文したかまで聞き出したという執念。こんなことがホントに個人でできるのかという疑問もわくが、松居は手記に書いている。
そして、松居は、バブル夫が愛人に数億円を貢いでいたことも調べ上げた。
この手記を読み直してみると、松居の原点が見えてくる。すべての夫婦関係をブッチャケてしまう性格。船越は“これ”を恐れていて離婚を言い出せないでいたのだ。
今回の騒動も、松居が別居中の船越のパスポートを持ち出して、出入国記録を把握したり、船越のノートを持ち出して、スケジュールを探ったりしたことから始まっている。船越の行動をチェックするぐらいは、松居には朝飯前だったのだろう。
船越側は、松居の数々の暴言(?)に名誉毀損・業務妨害での法的処置を検討中で、松居は「元気100倍で出廷するから」と受けて立つ構えを見せている。
石川敏男(いしかわ・としお)
昭和21年11月10日生まれ。東京都出身。『ザ・ワイド』(日本テレビ系)の芸能デスク兼芸能リポーターとして活躍、現在は読売テレビ『す・またん』に出演中。 松竹宣伝部、『女性セブン』(小学館)『週刊女性』(主婦と生活社)の芸能記者から芸能レポーターへと転身。