Hey!Say!JUMP・山田涼介主演の日本テレビ系連続ドラマ『もみ消して冬~わが家の問題なかったことに~』(土曜午後10時~)が、1月13日に放送を開始し、初回から13.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)の高視聴率を獲得。ネット上では驚嘆の声が上がった。
今やすっかり“ジャニーズ枠”と化した日テレ「土10」ドラマ。枠が移ってからの初回視聴率は、同4月期『ボク、運命の人です。』(KAT‐TUN・亀梨和也主演)が12.0%、同7月期『ウチの夫は仕事ができない』(関ジャニ∞・錦戸亮主演)が11.2%、同10月期『先に生まれただけの僕』(嵐・櫻井翔主演)が10.1%。『もみ消して冬』は、並みいる先輩の主演ドラマの初回視聴率を上回ったのだ。
山田と、亀梨、錦戸、櫻井との一般的なネームバリューの差は明らかで、『もみ消して冬』の前評判は決して高いとはいえなかった。それでいて、なぜ初回で、高い視聴率を記録できたのだろうか?
まず、同日放送の前番組『嵐にしやがれ』が14.2%で、通常週より高い数字をマークした点が挙げられそうだ。また同番組には、番宣を兼ねて山田がゲスト出演しており、うまく後番組のドラマにつながったと推察される。
次に、ヒロインに“上り調子”の波瑠を起用したことも功を奏した。波瑠は、NHK朝の連続テレビ小説『あさが来た』(2015年後期)でブレークを果たし、嵐・大野智が主演した『世界一難しい恋』(日本テレビ系/16年4月期)ではヒロイン役を好演。主演作『あなたのことはそれほど』(TBS系/昨年4月期)では、平然とW不倫をする人妻役を演じ、評価を高めている。ここ最近、日テレ「土10」ドラマでヒロインを務めてきた木村文乃、松岡茉優、多部未華子よりは、よっぽど視聴者の“食いつき”もよかったようだ。
『もみ消して冬』は、東大卒のエリート3兄弟が、一家の安泰を脅かす事件のみを全力で解決するホームコメディドラマ。ネット上では、批判的な意見が多い一方、「期待しないで見たけど、意外に面白い。グダグダ感がよかった」「山田はクールな役より、こういうコミカルな役の方が合ってる」「何も考えずに気楽に見られる感じでよかった」といった声もあり、“コメディ”“1話完結”という点も高視聴率に結びついたようだ。
「山田は16年10月期に、フジ月9ドラマ『カインとアベル』で主演を務めており、今作はそれ以来の主演作となります。『カインとアベル』の主演に起用された際は、『時期尚早』『月9の主演を務めるような器ではない』などと批判を浴び、全話平均視聴率は8.2%で、当時の月9ワースト記録を更新し、散々な目に遭いました。しかし、あのとき、フジが山田を看板枠の主演に抜擢したことで、彼のネームバリューがアップしたのは確か。それがなければ、『もみ消して冬』の初回高視聴率はあり得なかったのではないでしょうか。そういった意味では、『フジのおかげ』ともいえそうです」(テレビ誌関係者)
最高のスタートを切った『もみ消して冬』だが、油断は禁物。初回を見た視聴者からは、厳しい意見も多く、第2話で急降下する可能性もあるだけに、制作陣は気を引き締めた方がよさそうだ。もし、山田主演で平均視聴率が2ケタに乗るようなことがあれば、これはもう快挙といっていいだろう。
(田中七男)