5月に『シンデレラガール』でCDデビューした、ジャニーズ事務所のKing&Princeが好調だ。

「メンバーの顔面偏差値の高さはジャニーズ随一。

ジャニー喜多川社長のお気に入りぞろいのグループで、デビューと時を同じくして、日本テレビ系『ZIP!』内に彼らのコーナーがスタート。メンバーの平野紫耀は、3月に主演映画『honey』が公開され、4月クールはドラマ『花のち晴れ~花男 Next Season~』(TBS系)への出演もあって、露出を急増させており、注目度も急上昇していましたから、最高のお膳立てが整った中での、最高のデビューとなりましたね」(女性誌記者)

 初週の売り上げ57万枚超えという数字は、この10年でデビューしたジャニーズの新グループと比較しても、ダントツの数字。ジャニーズは楽曲配信を行っていないとはいえ、CD不況の時代にあっては、驚異的な売り上げで、不祥事続きの最近のジャニーズにあって、久々の明るい話題となった。

 だが、これも「ジャニーズ事務所」というテレビ界、芸能界における絶大なる影響力があってのこと。これまでに築き上げてきた歴史の積み重ねのたまものであることは間違いがない。

 その歴史の裏には、これまでに紹介してきたように、ジャニーズの絶対君主たるジャニー氏による、10代の美少年たちの肉体献上という、”悪魔の契約”の数々があったことを忘れてはならない。

 今回は、少年隊植草克秀らと同時期にジャニーズ入りし、Jr.のリーダー格として活動した、平本淳也氏が1996年に上梓した『ジャニーズのすべて 少年愛の館』(鹿砦社)から、その真実に迫ろう。

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ジャニー氏による「悪魔の行為」一部始終

 いまのジャニーズファンにも、平本氏の名前はよく知られているだろう。現在、プロデューサーであり作家、投資家でもありといくつもの道で広く活躍をしており、その経験と確かな筆力から、ジャニーズ関連のネット記事をさまざまなニュースサイトに提供し、ファンの“知りたい”に応えてくれている貴重な存在である。

 この平本氏が、これまでに紹介してきた、フォーリーブスの北公次氏、ジャニーズの中谷良氏、ソロデビューした豊川誕氏ら、10代にしてジャニー氏の毒牙にかけられ、人生を狂わされた者たちと大きく違うところは、ジャニー氏に”最後の一線”を、とうとう許すことがなかったということだ。

 もちろん、ジャニー氏からの誘いは、あったという。

 著書の中の第二章「苦悩――デビューへの代償」内、「ホモとの遭遇」と見出しがつけられた一編で、事細かにその悪魔の行為がつづられている。



 ジャニー氏のホモ疑惑については、同僚のJr.たちから聞いていたものの、いまいちどういうことかを理解していなかったという平本氏だが、合宿所ではジャニー氏が一緒に風呂に入り、体をすみずみまで洗ってくれる上に、パンツまではかせてくれるのが当たり前、という奇妙さに気が付いてくる。

 夜中になると、並んで寝ているJr.のところにジャニー氏は滑り込み、その場所からは、「ごそごそ……」「ハァ~…」という謎の声が聞こえてくる。

 そして、ついに平本氏にも、その毒牙が向けられる。



 合宿所に泊まったある夜、強烈な香水のにおいとともにジャニー氏に抱き寄せられてしまう。そこまでの経験は何度もあったというが、その日のジャニー氏はさらに”その先”を求めてきたという。

 例の如く腕枕をして足もからめてきた。この時は私は寝ておらず、私が寝ていないのをジャニーさんは知っていた。抱き締めながら、「ユー、もうすぐデビューだね」と発した言葉と一緒に少し荒い鼻息が頬を撫でる。
(中略)
「レッスンは大変だけど頑張って」「新しいグループにはユーがリーダーで頑張るんだよ」「来年にはもうユーは大スターだよ」とよだれが出るほど甘い夢のような話だった。これらをジャニーさんは小声で耳元でささやきながら手の平や腕のマッサージを施す。

 「もっと気持ちのいいことしてあげる」と言われた時は、心臓が爆発する思いだった。

 この”もっと気持ちいいこと”は、足の指を鳴らすことだったというが、こうしておいしい話とマッサージで、まだ性愛の意味も知らない少年の心を溶かしていくのが、ジャニー氏の手口のようだ。


 強くもんだり指を鳴らしたりとテクニシャンのジャニーさんは、いつの間にか体を撫で回すようになり脚を股に突っ込んできた。

「ワァー」と絶叫した。しかし心の叫びであった。周りに寝ている二人にこの状況を知られたくはなかったのだ。

 平本氏は、この窮地を、「トイレに行きたい作戦・我慢できないスペシャル」で切り抜ける。そして、トイレから戻ると、ジャニー氏は、平本氏の隣で寝ていた「忍者」の正木慎也のことを、可愛がっていたという。

 そして平本氏はその後、「本物のホモはここまでするのか、ということを知った」という、決定的なシーンを目撃することとなる。



  四つん這いになった少年の後ろからジャニーさんは行った。細かいところは見えないが、少年の「痛い!」という声が耳にこだました。
(中略)
 彼はこの日をスタートに「儀式」のすべてを経験した。愛撫からキス、そしてアナル、フェラチオまでのされる方とする方。何カ月かすると、彼はグループメンバーに入り今でも活躍している。


 この行為をすればデビュー、そして拒否するならばいくら頑張ってもジュニアで終わる。そのことだけが頭の中に刻まれ渦巻いていた。

 平本氏は、その後も、何度も抱きしめられての甘い囁きは受けたというが、決して一線を超えることはなかったという。そんな平本氏に、デビューのチャンスはなかなか訪れず、Jr.のリーダー格として活躍しながら、結局、デビューを諦めて、18歳のときにジャニーズを去ることとなる。

 その後、いくつもの分野で成功を収めている平本氏だが、それでも、あのまま続きに応じていたら、今頃スターだったかもしれないとの思いがよぎることがあるようだ。

 自分では「悪魔の囁きに乗らなかった」と良い方に納得しておかないとジャニーズ事務所にいた経験が悪い思い出として付きまとってくる。

 こうして、強い気持ちで過去に決着をつけているというが、それほどに、スターの浴びるスポットライトはまぶしく、ジャニー氏の「来年にはユーも大スターだね」という囁きはどこまでも甘く、10代の少年たちを惑わせるのだろう。

 86歳になるジャニー氏が、現在も同じようなことを繰り返しているどうか知るよしもないが、King&Princeの成功も、こうした歴史の積み重ねの上にあるということを、メンバー、そしてジャニーズタレントのファンも知るべきではなかろうか。
(渡邊孝浩)



<バックナンバーはこちらから>

54年前、毒牙にかけられた「初代ジャニーズ」(第1回)
16歳の「おれ」にジャニー喜多川が繰り返した性行為(第2回)
13歳を誘い犯した、ジャニー喜多川のパワハラと“行為”(第3回)
16歳の“僕”が「スター抜てき」と引き換えたもの(第4回)

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