見ず知らずの男女6人が、シェアハウスで共同生活する様子を記録したリアリティ番組『テラスハウス』。現在、Netflixにて「TOKYO 2019-2020」が配信中で、ファンは個性豊かな面々の恋愛模様を、一喜一憂しながら、固唾を呑んで見守っている。

そんな『テラハ』を愛する“テラハウォッチャー”が、6月後半の配信分から、グッときた“名(珍)シーン”をピックアップし、思いのままにレビューする。

咲子の告白、なかったことに(第5話)

 アルバイトの流佳に、第4話の終わりで「付き合って」と軽い告白をしていたフィットネストレーナーの莉咲子。その後、テラハ配信が1週お休みだったので、「どうなるの!?」とヤキモキしながら第5話の配信を待った視聴者も多いのでは。

 言ったあとで「寝ぼけてた」と莉咲子はごましていたものの、「付き合って」なんて立派な告白。いつも目にかかる前髪を邪魔そうにしながらヘラヘラしている流佳が、どのように答えたのか? 二人の関係は進展するのか!? ……と、ものすごく楽しみにしていたが、第5話はメンバー6人がリビングに揃って、新元号「令和」になる瞬間を祝う場面からスタート。その後も、「付き合って」後の流佳の反応が放送されることはなかった。

拍子抜けである。

 もしかして現代のモテる若者にとって、あれくらいの軽い「付き合って」はよくあることなのだろうか。こちらの感覚が間違っていたのだろうか、と急に不安が襲ってきた。現代の若者を知るためにも、テラハを見続けたいものだ。



 自称・マルチクリエーターで俳優の翔平。仕事観やタトゥーのたくさん入った腕は個性派ではあるものの、流佳の相談に乗るなど面倒見がよく、料理も得意でメンバーによく作ってあげたりと、なんだかんだ慕われている様子だ。


 テラハのリビングには、外出先などを記す連絡ボードがあるのだが、第5話でふと映ったボードにあったのは、「愛犬に線香をあげに実家行ってきます 翔平」の文字だった。これを見た瞬間「翔平、モテる!」と確信した。「実家行ってきます」だけで足りるところを、わざわざ細かい理由を書くのは少しあざとい気はするものの、「愛犬」「線香」「実家」とノスタルジーを刺激する言葉を自然と連ねてくる翔平、これは天然のやり手である。

 第6話終了時点ではイラストレーターの香織から好意を寄せられているが、この先、さらにモテていく可能性を感じさせる一文だった。

歌詞が意外と「純恋歌」(第5話)

 ミュージシャンのケニー(健司)がボーカルを務めるバンド、SPiCYSOLのライブを見に行ったメンバーたち。そこで歌われたのが、ケニー作詞のバラード曲「Coral」だった。



 ケニーやほかのバンドメンバーのカジュアルオシャレな雰囲気から、「軽井沢編」に出演したShohey率いるバンド「THREE1989」(スリー)のような、メロウな感じの曲かなと予想したが、まったく違った。

 その歌詞は、どこか湘南乃風の「純恋歌」を思わせるほどド直球。ファンキーモンキーベイビーズのヒット曲の数々っぽくもある。良いか悪いかは別にして、ケニーのテラハでの落ち着いた感じとはイメージが違う。

 これを女性メンバーはどう受け取るのか、気になるシーンとなった。



 第2話で、仕事観の違いで「天ぷら事変」なる論争を起こしていた翔平と、女優の春花。
二人は今回、翔平の誘いでゴルフの打ちっぱなしに出かけ、帰りにラーメン屋へ。そこで春花が「前に話したとき、すごい全否定しちゃったから傷付いちゃったかなって」と、切り出すと、翔平は「全然大丈夫だよ。仕事の話に限らず、そういう意見をもらえたほうがありがたい」とにこやかに返し、無事に和解した。

 その後も、翔平が「今26歳で、役者でバコーンっていく感じもないし、いけるとも思わない」と弱音もこぼすと、春花が「別に無理って決めつけなくてもいいと思う。私も結構、このままやっていけるのかな? って思ったりする。でも人のことはいつも応援したくなっちゃう」と励ますなど、絆は深まった様子だった。


 どうも今回の「東京編」メンバーには、明らかな”嫌なヤツ”が不在。「軽井沢編」で繰り広げられたドロドロの人間関係トラブルは、今のところ起こりそうにない。

ケニーがモテ期(第6話)

 第6話後半になった途端、ケニーがモテ始めた。女子3人での恋愛トーク中、莉咲子が「ケニーさんといると、めっちゃホッとするんだよね。男の人として見られる人。将来の話とかを唯一できる人かも」と言うと、春花も「流佳はかわいいから最初はすごい見ちゃってたけど、最近やっぱりケニーくんがしゃべってて楽しい。

一番今、一緒にいて楽しいなってすごい思う。何か一番男らしく見える」と打ち明けた。

 第5話時点では、莉咲子も春花も流佳を好きそうな感じだったのに、何が起こったのだろうか。5~6話で流佳とケニーがしていたことを振り返ってみると、少し謎は解けた。流佳が頻繁に髪形を変え(茶髪を黒髪に→前髪を極わずかにカット→翔平のアドバイスでワックスベタ付けのセンター分け)ていた頃、ケニーはライブで歌声を披露したり、新曲のレコーディングをしたりしていた。やはり女性は、働く男に惹かれるのかもしれない。もしくは「純恋歌」ふうの歌詞も、良い方に働いたのかも。

 ケニーを巡る莉咲子と春花の駆け引きに注目したい。