91歳の万引き犯が、店長の葬儀に――Gメンが言葉を失った「塩辛泥棒」の切ない思い出

91歳の万引き犯が、店長の葬儀に――Gメンが言葉を失った「塩辛泥棒」の切ない思い出

 こんにちは、保安員の澄江です。

 今年のお盆休みは、台風に直撃されて大変でしたね。帰省先を持たない私は、お墓参りに出かけるくらいで、夏休みのほとんどを自宅で過ごしました。先日、熱中症にかかったこともあり、意識的に外出を避けて、冷房の効いた部屋でおとなしくしていたわけです。休み中は、もっぱらDVD鑑賞。大好きなアルフォートを頬張りながら、先日購入した『万引き家族』のDVDを見ていると、休日には気を使って連絡してこない部長さんから珍しく電話がかかってきました。

(警察から呼び出しでもあったのかしら)

 警察は、供述調書等における誤字脱字の訂正印をはじめ、証拠写真の追加や撮り直しなどが必要な場合、暦に関係なく連絡してきます。どの件かと、最近の取扱事案を思い浮かべながら電話を受けると、いつもは明るい部長さんが重苦しい雰囲気で言いました。

「お休みのところ申し訳ない。実は、訃報が入りまして………」

 聞けば、毎月のシフトに入っているH店の店長さんが、昨夜、脳溢血で急逝されたというのです。享年42歳。10年ほど前から店長を務めておられていた店長は、俳優の古尾谷雅人さんに似たスタイルの良い美男子で、仲間内でも人気の高いお方でございました。最後にお会いしたのは、2カ月ほど前のこと。いま振り返れば、少し嫌な思いをさせてしまったので、あれが最後だと思うと申し訳ない気持ちでいっぱいになります。

 勤務開始、5分前。店内の一角にある事務所に向かうべく、エスカレーターで階下に向かっていると、ペットボトルの飲料水(2L)が入ったダンボールと10キロの米袋を抱えた店長が反対側のエスカレーターに乗って上がってくるのが見えました。荷物を抱える店長の背後には、とても小さなおばあさんが佇んでおり、骨の形が浮き出た油気のない手で店長の腕にしがみついています。すれ違いざまに、店長と目が合ったので黙礼をすると、すぐに戻るので事務所で待っているよう、爽やかに指示されました。小さなおばあさんは、お孫さんと買い物に来た雰囲気で、どこかうれしそうにしています。


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