万引き常習犯からさいたま連続放火魔へ――真面目な中年女のウラ側【ドン・キホーテ放火事件・前編】
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世間を戦慄させた事件の犯人は女だった――。平凡に暮らす姿からは想像できない、ひとりの女による犯行。自己愛、欲望、嫉妬、劣等感――罪に飲み込まれた闇をあぶり出す。

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第9回:ドン・キホーテ放火事件

 埼玉県さいたま市緑区。国道463号線と県道1号線がぶつかる花月交差点付近にあった「ドン・キホーテ浦和花月店」から火の手が上がったのは2004年12月13日、夜8時過ぎのことだった。カラッとした冬晴れが続いていたなかでの火災は、商品が天井近くまで積み上げられているドン・キホーテ特有の“圧縮陳列”という事情も重なり、みるみる拡大。約2,300平方メートルの店舗が全焼した。これにより同店に勤務していた店員3人が死亡、8人が重軽傷を負うという大被害をもたらした。

 火災は一度では終わらなかった。同日の夜11時ごろ、そこから約10キロほど離れた場所に位置する「ドン・キホーテ大宮大和田店」で出火。幸い、すぐさま消火活動が行われ、衣類など218点が燃えるにとどまった。ところが2日後、午後3時ごろに、またもや「大宮大和田店」で出火。毛布売り場から火の手が上がり、ビニール袋入りの毛布7枚などが燃えた。3日間に連続して起こった3件の火災に、同社に恨みを持つ者による怨恨犯説もささやかれた。

 全焼した「浦和花月店」からは防犯カメラの回収もできない。ところが、「大宮大和田店」の二度目の火災発生後、防犯カメラに“龍の刺繍の入った帽子をかぶった女”が映っていたことで事態は急展開する。二度目の火災があった際、騒ぎに乗じてか、買い物かごをそのまま店外に持ち去った女がいた。同日、買い物かご窃盗容疑で逮捕された女の帽子には、龍の刺繍があった。