女性アイドルグループ・スリジエの運営会社が10月16日、センターを務める18歳のメンバー・山本あこを契約解除したと発表。その理由を公表したことで、ファンの間で賛否両論が巻き起こっているようだ。

 グループの公式ブログに掲載された「山本あこ契約解除のお知らせ」によると、山本は「未成年にも関わらず、令和3年9月13日に飲酒していたことが発覚」(原文ママ、以下同)したといい、さらに運営会社が禁止していた「キャバクラ勤務を令和3年7月中旬ころからしていた」と発表。

 加えて、グループ内で新型コロナウイルスのクラスターが発生した際に「濃厚接触者として保健所から自宅待機要請(7/18~8/1)を受けているにも関わらずプールやライブに出かけるなど度重なる不適切な行動があった」といい、本人もこれらを事実であると認めたという。そして、「法令違反やコンプライアンス違反など多数発覚したため、山本あこをスリジエから脱退とし契約解除させて頂く」とファンに報告した。

 “1万人から選ばれた正統派美少女アイドルグループ”と銘打つスリジエは、2017年12月に結成。メンバーは月組、星組、宙組などにわかれており、月組の人気メンバーである山本は、15歳当時に「週刊ヤングジャンプ」(集英社)でグラビアデビューを果たしたほか、一部ファンから「絶対的センター」と呼ばれていたという。

「運営は今回、『本件を重く受け止め、ご迷惑をおかけした皆様には誠心誠意対応させていただき、改めて社員・アーティストへの指導・教育を徹底し、再発防止に努めて参ります』とつづっており、公式Twitterにはファンから『現役メンバーに示しがつかないので適切な処置だと思います』『処分としては、当然のことだと思います』『まあ~残念だけどしかたないね』と理解を示す声が寄せられています。

さらに、理由を公表したことに関して『センターやめさせるんだから理由は示すべき』『解雇理由の公表は賛成ですね』と肯定する声も散見されます」(芸能ライター)

 その一方で、「理由はぼかすなりできなかったのですか? まだ未成年の子ですから、更正できるように理由は伏せるべきでは」「未成年者への元メンバーさんへの配慮が足りなさすぎます」「まだ18歳の女の子に対してあまりにも感情的な文面に感じます」と山本に同情的な声も見られる。

「AKB48グループや坂道シリーズのようなメジャーグループではありえませんが、地下アイドルの運営サイドが、メンバーの解雇理由を公表するケースは珍しくない。ネット上ではそうした運営の対応を『ファンを大切にしている』『ファンにはメンバーが辞めた理由を知る権利がある』と肯定するアイドルファンがいる一方で、『感情的になりすぎ』『責任をメンバーに押し付けすぎでは』と疑問視する意見も上がっています」(同)

 今回と似たような騒動では、19年11月に、当時キングレコードからメジャーデビューしたばかりの2.5次元コスプレユニット「愛夢GLTOKYO」の所属事務所が、元メンバー・Aの脱退理由を発表。そのハードな内容がアイドルファンの間で話題を呼んだ。

「同10月にAの脱退が発表され、翌月にAが個人Twitterで“ライブ当日に精神疾患の症状が出たため、出演が厳しい旨を事務所の社長に伝えたところ、脱退を宣告された”“後に病院で『適応障害』などの診断を受けるも、事務所に『よくあること』と診断書の受け取りを拒否された”と脱退理由を説明。これを受け、事務所側はTwitter上で、Aが事務所スタッフと不適切な関係になっていたことや、『弊社タレント及びスタッフに執拗に何度も勧誘を行い、購入させられた者もいます』などと、Aがマルチ商法及び宗教の勧誘行為を行っていたと暴露。

さらに、タレントから受けた相談として『「携帯の名義貸し」をさせてギャラを払うなどの商売及び斡旋をしている』とも公表しました。真相は不明ですが、当時この解雇理由を知り、ショックを受けるファンも見られました」(同)

 元メンバーと運営が揉めた揚げ句、裁判沙汰などに発展してしまうことも少なくないアイドル業界。クビの理由を明かすべきか否か、アイドルファンの間でも意見が分かれるようだ。