北朝鮮版「新・仁義なき戦い」…ある敗残者の過酷な運命

北朝鮮版「新・仁義なき戦い」…ある敗残者の過酷な運命
金正恩(キム・ジョンウン)氏

北朝鮮ほど、国家が国民を厳しく統制している国はない。言論の自由も結社の自由も認められておらず、株式会社や市民団体、またはヤクザのような私的集団は存在しない。だからそうした勢力同士の利害のぶつかり合いもないはずなのだが、それはどこまでも表面的な話だ。

北朝鮮にも暴力団組織のようなものがあり、乱闘騒ぎもときどき起きている。

彼らの抗争がどれほど凄まじいものであるかは、今年3月にロシアの地方都市で発生した北朝鮮労働者とタジキスタンの労働者の乱闘の様子を見ればわかる。Vesti.ruが公開した動画は、まるでヤクザ映画のようなド迫力である。

党や軍、行政機関の間での利権争いも熾烈だ。韓国のニュースサイト、リバティ・コリア・ポスト(LKP)によれば、両江道(リャンガンド)の雲興郡(ウヌングン)にある朝鮮労働党39号室傘下のマグネサイト鉱山を舞台に、党官僚と支配人の権力闘争が勃発。謀略にはまった党官僚が、家族もろとも政治犯収容所に送り込まれる事件があった。

両江道の情報筋は、LKPに次のように語っている。

「鉱山の初級党委員長は9年前、この地の開発が開始された当初から配置され、労働者からの信頼も厚かった。しかし2年前、新たに赴任した支配人が、鉱山の実権を掌握していた党委員長を疎んじ、政治犯の濡れ衣を着せて繰り返し告発した」

情報筋によれば、支配人は最初、党委員長の『失言』を利用しようとしたという。

「党委員長は今年5月、労働者の前で『元帥様(金正恩党委員長)のポケットばパンパンになってこそ人民の暮らしも良くなる。だからマグネサイトをたくさん掘って、元帥様のポケットをいっぱいにして差し上げよう』と語っていた。これを、『元帥様がまるでカネに飢えているように誹謗した反革命的行為』であるとして、道の党委員会に報告した」


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