「入ったら生きて出られない」北朝鮮国民が恐れるコロナ隔離施設の惨状
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北朝鮮の女性兵士たち(アリランday)

北朝鮮は、今月12日の国営朝鮮中央通信の報道を通じて、国内での新型コロナウイルス感染者の発生を初めて公式に認めた。だが、実際は先月末ごろから感染を疑わせる患者が発生していたようだ。中国と国境を接する平安北道(ピョンアンブクト)の新義州(シニジュ)では、封鎖令(ロックダウン)が下される事態となっていた。

このことを伝えた現地ののデイリーNK内部情報筋によると、先月末ごろから発熱、咳、下痢などコロナ感染を疑わせる症状を見せる患者が急増。これは、国境の川の対岸にある中国・遼寧省の丹東で感染者が急増したのと、時期を同じくする。

当局は、重症者を隔離施設に移送し、感染を抑え込もうと試みた。しかし、その後も患者の急増は収まらず、今月2日から8日まで、新義州市内がロックダウンに入り、一般市民の私的な移動はもちろん、公用のための移動も制限された。

ロックダウン期間中に、コロナと思しき症状で亡くなる人も出たが、感染拡大が、春窮期と重なったことでさらなる悲劇を生んだ。食糧の蓄えが底をついた「絶糧世帯」の人々は、食べ物を得るための外出すら許されず、餓死していったとのことだ。ただし、餓死者数の正確な数はわかっていない。

症状が出たとしても、申し出ずに隠し通す人も多かったようだ。というのも、隔離施設の環境は極めて劣悪で、食事がまともに提供されず、一度入れば二度と出てこれないとの悪評が広がったためだ。

(参考記事:飢えた北朝鮮の一家が「最後の晩餐」で究極の選択