北朝鮮国営の朝鮮中央通信によると、22日18時までの24時間に確認された新型コロナウイルス感染の疑いがある発熱患者は13万4510人余り。前日比で3万3130人減少し、最盛期に比べて多少落ち着いた感はあるものの、北朝鮮は依然として「非常防疫大戦」の真っ只中にある。

そんな中で、5人が脱北する事件が発生。金正恩総書記は徹底的な調査を指示した。

デイリーNK内部情報筋は、事件が起きた正確な日時については言及していないが、新型コロナウイルスの感染者公式発表のあった12日以降、5人の北朝鮮国民が、平安北道(ピョンアンブクト)新義州(シニジュ)付近から、国境を流れる鴨緑江を渡って脱北、中国側に逃げ込んだ。

全国的な移動禁止命令が下されている中での脱北事件の発生に、内部では少なからぬ動揺が起きている。金正恩氏は21日、国家保衛省(秘密警察)に対して、徹底的な調査と責任者の厳罰を命じる「1号指示」を下した。

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そもそも居住地からの移動が禁止されており、保衛省の管轄する10号哨所(検問所)が多数存在するにもかかわらず国境に接近できたことについては、当局内部に協力者がいた可能性が考えられている。

当局は近隣地域で家庭訪問をして調査を行うと同時に、周囲の複数の10号哨所の人員を総入れ替えした。

5人はいずれも、新義州市内から数キロ上流にある威化島(ウィファド)付近から脱北したものと見られ、周囲の地理に明るい密輸業者である可能性も指摘されている。