不純録画物(違法映像)の視聴・流布の罪で死刑判決を受けていた金光赫(キム・グァンヒョク)北朝鮮空軍司令官の親族が、金正恩総書記の特別指示によって処刑直前に救済されたことが分かった。これをめぐり、党・政府・司法機関の内部はもちろん、若者の間でも法執行の公平性をめぐる論争が起きているという。
平壌市の消息筋は8日、韓国デイリーNKに対し、「空軍司令官の甥が不純録画物を視聴・流布した容疑で逮捕され、反動思想文化排撃法違反で死刑判決を受けたが、最高尊厳(=金正恩氏)の『1号指示』が下されたことで命を救われた」と伝えた。
北朝鮮は2020年に反動思想文化排撃法を制定し、韓国の映像作品など外部コンテンツの視聴や流布を厳しく処罰している。特に大量流布や集団視聴を組織した場合には、無期労働教化刑(懲役)や死刑などの極刑が科される。
現行犯で摘発された金司令官の甥A氏も、不純録画物を大量に所持し、周囲の知人を集めて定期的に視聴していただけでなく、それを流布することにもためらいがなかったとされ、同法で定められた最高刑である死刑を言い渡された。
事件発覚後、A氏の家族は金司令官をはじめ、有力な親族らにも助力を求めたという。しかし最近の北朝鮮では幹部の腐敗や特権問題が敏感に扱われているため、誰も容易には動けず、家族は気をもんでいたとされる。
国家情報局(旧国家保衛省)の内部では、A氏の罪状は重大であり極刑は避けられないとの見方が支配的で、実際に執行日時の調整まで進められていた。しかし先月下旬、国家情報局に対し「空軍司令官の功績と忠誠心に傷が付かないよう、単なる好奇心による視聴者とは明確に区別せよ」とする金正恩氏の特別指示が下され、状況は一変した。
消息筋は、「本来であれば法に従い最高刑が執行される案件だったが、最高尊厳の指示によって即座に保留され、特別恩赦の形式で減刑された」と説明した。そして、「表向きには元帥様の寛容と配慮を称賛する雰囲気が作られたが、党・政府・司法機関の内部では少なからぬ議論が起きた」とも語った。
この出来事を通じて、同じ法律違反であっても対象者の身分や背景によって処罰の重さが変わり得る現実への問題意識が高まっているという。同法違反事件は一般住民に対しては苛酷な処罰につながることが多いのだから、当然の成り行きだろう。
消息筋は、「若者たちの間では、『同じように法律を破ったのに、ある者は生き、ある者は死ぬのなら、法執行の原則に問題があるのではないか』との指摘が出ている」とし、「誰もが表向きには口を慎んでいるが、心の中では結局、人によって法律の適用が違うことに不公平感を抱いている」と伝えた。








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