米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は7日付で、「世界で最も意外な経済成功物語は北朝鮮だ」と題する記事を掲載し、ロシアとの軍事協力や中国との貿易拡大を背景に北朝鮮経済が予想以上の回復を遂げていると報じた。

記事によると、平壌ではスマートフォンを使った配車サービスやQRコード決済が普及し、中国製電気自動車(EV)が街を走るなど、数年前とは様変わりした光景が広がっている。

レストランやペットショップ、インターネットゲーム施設なども増加しており、外国人訪問者からは「別の国のようだ」との声も上がっているという。

WSJは、こうした変化の背景として、ロシアへの兵器供給や派兵による外貨獲得、中国からの資金・物資流入、そして国際制裁をかいくぐったエネルギーや部材の確保を挙げた。韓国の推計では、北朝鮮はロシアとの軍事協力を通じて数十億ドル規模の収入を得た可能性があるという。

また、韓国銀行の統計を引用し、北朝鮮の2024年の実質経済成長率は3.7%となり、過去8年間で最高水準を記録したと紹介した。中国との月間貿易額も約8年ぶりの高水準に達したとしている。

金正恩総書記が進める建設事業にも注目し、平壌では新たな住宅地区や病院、大規模温室農場、海浜リゾートなどが相次いで整備されていると伝えた。地方振興政策「20×10政策」に基づき、各地で工場や医療施設の建設も進められているという。

一方でWSJは、こうした恩恵が全国に行き渡っているわけではないとも指摘した。平壌と地方の格差は依然として大きく、国連の推計では国民の相当数が栄養不足状態にある。北朝鮮は依然として深刻な人権侵害国家であり、韓国ドラマの流布が死刑に相当する犯罪とされる現実も変わっていないと報じた。

WSJは、ロシアと中国の支援を受けた北朝鮮が以前よりも経済的余裕を持つようになった結果、米国が期待する非核化交渉への誘因は弱まっているとの見方も示した。北朝鮮を取り巻く国際情勢が大きく変化する中、経済面でも新たな局面を迎えているとの認識を示している。

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