米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)は8日付で、北朝鮮経済の現状を分析する記事を掲載し、新型コロナウイルス禍で国境を封鎖した北朝鮮が当初予想されたような経済崩壊を回避し、新たな成長モデルを築きつつあると報じた。

記事は、2020年に金正恩総書記が世界でも例を見ないほど厳格な国境封鎖措置を取った際、多くの専門家が北朝鮮経済の深刻な悪化を予測していたと振り返った。

中国との貿易に大きく依存していた北朝鮮にとって、国境閉鎖は自ら経済活動を停止させるような決断に映ったためだ。だが実際には体制は崩れず、むしろ金総書記は国家統制を強化しながら新たな経済運営の形を模索したと分析している。

NYTによると、北朝鮮はコロナ禍の期間中に市場活動への統制を強める一方、国家主導の大型建設事業を推進した。平壌では住宅建設が相次ぎ、地方でも工場やインフラ整備が進められた。また、近年はロシアとの軍事協力拡大によって外貨収入や資材の流入が増え、経済を下支えしていると指摘した。

記事はさらに、中国との貿易再開も北朝鮮経済回復の重要な要因になったと説明した。コロナ禍で大幅に落ち込んだ中朝貿易は国境再開後に急速に回復し、消費財や原材料の流入が再び活発化しているという。

一方で、NYTはこうした変化が国民全体の生活向上を意味するわけではないとも指摘した。平壌では新しい住宅や商業施設が目立つ一方、地方では依然として食糧不足や貧困が続いており、都市と農村の格差は大きいままだとしている。

また、ロシアとの軍事協力による収入増加が金正恩政権の安定化に寄与しているとの見方も紹介した。

ウクライナ戦争を契機に北朝鮮は兵器供給や軍事協力を拡大しており、これが制裁下の経済を支える新たな収入源になっていると分析している。

NYTは、コロナ禍の国境封鎖によって北朝鮮経済が破綻すると予測した見方は結果的に外れたと総括した。

その上で、金正恩政権は中国やロシアとの関係を活用しながら経済的な余裕を確保し、国際社会の制裁圧力にも一定程度耐えうる体制を築きつつあるとの見方を示している。

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