中国の習近平国家主席は8日、平壌を訪問し、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記と会談した。中国最高指導者の訪朝は2019年以来7年ぶり。
両首脳は政治、経済、安全保障分野での協力拡大を確認し、中朝友好協力相互援助条約締結65周年に合わせて交流をさらに強化することで一致した。 朝鮮中央通信(KCNA)が9日に伝えた。 会談は平壌市内の錦繍山迎賓館で行われた。北朝鮮側からは崔善姫外相や努光鉄国防相、中国側からは王毅外相や董軍国防相ら外交・安全保障・経済分野の要人が同席し、異例の大規模な顔触れとなった。 金総書記は会談で、習氏が「今年最初の外国訪問先として平壌を選んだ」ことを高く評価し、「朝中友好に対する最大の重視の表れだ」と歓迎した。その上で、中朝関係について「最も重要な第1の戦略的事業」と位置づけ、「変色しない特殊で真実の戦略的関係」として発展させる決意を表明した。 また、中国が台湾問題などで掲げる「一つの中国」原則を改めて支持し、「中国の核心利益を守るための政策と立場を全面的に支持する」と強調した。 これに対し習氏は、「国際情勢がいかに変わろうと、中朝友好を重視する中国の立場は変わらない」と述べ、金政権による社会主義建設への支持継続を約束した。 会談では両国の党・国家建設の経験を交換したほか、高位級交流の拡大や経済協力の強化、文化交流の活性化についても協議された。さらに国際・地域情勢について意見を交換し、「主権と安全、発展利益を共同で守る」ため戦略的調整を強化することで一致したという。 注目されるのは、会談内容に朝鮮半島の非核化や北朝鮮核問題への言及が見当たらなかった点だ。 会談発表では、「主権と安全の利益を固守する」との表現が繰り返された一方、非核化や核開発抑制に関する文言は確認されなかった。
習氏の訪朝直前には、金与正党総務部長が「非核化問題は誰とも議論しない」との談話を発表しており、中国側も今回の訪問で北朝鮮に非核化を求める姿勢を前面に出さなかった。 また、両首脳は朝中友好協力相互援助条約締結65周年を大きく取り上げた。同条約は有事の際の相互支援を定めた中朝関係の基礎文書であり、近年の米中対立や朝鮮半島情勢の緊張を背景に、その政治的意味合いが改めて強調された格好だ。 北朝鮮は近年、ロシアとの軍事協力を急速に深化させているが、今回の首脳会談は、中国との伝統的な同盟関係が依然として北朝鮮外交の基軸であることを内外に示す狙いがあるとみられる。一方、中国にとっても、朝鮮半島への影響力を維持し、米国主導の対中包囲網に対抗する上で北朝鮮との関係強化は重要な戦略課題となっている。 7年ぶりの平壌会談は、中朝両国が「社会主義陣営の戦略的連携」を改めて誇示する場となった。しかし、その結束が朝鮮半島の非核化や地域の安全保障環境の改善につながるのかについては、依然として不透明なままだ。
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