欧州の排外主義に対する経済学的な処方箋は 「移民への課税」と「二級市民化」だ

 ところがその後の100年でこの関係は逆転し、第一次大戦前にはグローバルな不平等の80%はどこで生まれたか(移民の場合ならどこで暮らしているか)で決まり、社会階級で決まるのは20%になった。

 その理由はヨーロッパによるアフリカ、アジアの植民地化で、少数のヨーロッパ人が現地人の数百倍もの所得を得るようになった。欧米先進国では、労働者でも植民地の人びとの大半より高い生活水準を享受していた。「良家」に生まれること(階級)よりもゆたかな国に生まれること(場所)のほうがずっと重要になったのだ。

 各国間の不平等のギャップが最高点に達したのは1970年頃で、1人あたりGDPではアメリカ人は中国人の20倍もゆたかだった。だが2010年にはこの比率は4倍未満に縮まって1870年と同じになっている。

平等性が高く社会保障制度が整い社会的流動性が低い国「日本」には低スキルの移民しか集まってこない

 ミラノヴィチは、正しい場所(国)に生まれた者には「市民権プレミアム」が与えられ、悪い場所(国)に生まれた者には「市民権ペナルティ」がつくという。市民権プレミアムの大きさは、世界の最貧国であるコンゴを基準として所得収入の大きさで計測される。

 それによれば、(コンゴに対して)アメリカの平均所得は9200%、スウェーデンは7100%、ブラジルは1300%、イエメンは300%だ(日本の1人あたりGDPはアメリカの約7割なので市民権プレミアムは6400%程度)。

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2017年10月20日の経済記事

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