「なぜ公募増資のインサイダー情報を漏らしても証券会社は罰せられないのか」という学生からの素朴な疑問について考えてみた

公募増資の情報をもとにインサイダー取引を行なったとして、旧中央三井アセット信託銀行やあすかアセットマネジメントに対しての課徴金勧告が出されたが、情報を漏らした側の証券会社は何ら罰せられない。罰する法律が存在しないのだ。

直接不当な利益を上げたものは罰せられるが、間接利益は罰せられない

 私は現在、大学で教鞭をとっているが、今学期は学部3、4年生向けの授業でFacebook上に受講者のグループを作り、そこで日々の新聞記事についても議論をするようにしている。

 そこで、学生の一人が上げた質問が「なぜ今回の件で証券会社は罰せられないのですか?罰する法律がないのはなぜですか?」というものであった。

 旧中央三井やあすかは、情報をもとに不当な利益を上げたため罰せされるわけであるが、情報を漏らした証券会社は直接的には不当な利益を得ることはない。これが罰則が存在しないことの理由の1つであろう。証券会社は上客をもてなしただけ、ということである。

 上客をもてなすのはどの業界でもよくある話だ。特に、もてなした側に罰則もなければ顧客に感謝されるなら、情報を漏らすインセンティブは大いに強くなる。

 しかし、それに対して、その学生は「情報を漏らさなければこのような問題は起こりえなかったはず」と至極真っ当な指摘。証券会社がそれら投資家にインサイダー取引をさせるように誘惑したと言える。

証券市場の価値下落や将来の投資家減少にもつながる

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