環境規制でにわかに脚光浴びる東洋紡のフィルタービジネス

 2006年に施行された改正大気汚染防止法は、2010年度までに揮発性有機化合物(VOC)の排出量を2000年度比30%削減するよう、義務づけている。VOCとは耳なれない言葉だが、洗浄や塗装、印刷や接着などに広く使われており、半導体や液晶をはじめ、さまざまな業界の工場で対応を迫られている。

 この動きをチャンスととらえているのが東洋紡だ。同社はVOC除去装置で40%を超えるシェアを握っており、「ニッチ市場ながら、ここ数年、2ケタ成長を続けてきた」(飯島康弘AC事業部長)のである。最近では、溶剤回収装置も発売。トルエンなどのVOCが再利用できるとあって、材料代を抑えたい工場から引く手あまただという。

 興味深いことに、東洋紡がこの装置の肝である活性炭繊維の製品化に成功したのはじつに30年も前のこと。その後、フィルターとして用途研究を重ね、VOC除去装置の自社開発にこぎ着けたのも20年前にさかのぼる。以後、鳴かず飛ばずの状態が続いていたのだが、ここにきてにわかに成長素材として脚光を浴びるようになった。

 汎用品の多い東洋紡にあって、このフィルターは異色の存在だ。環境装置メーカーへの外販はせずに、自社開発の装置にしか使っていない。また、装置そのものも顧客に応じたカスタムメードだ。それがゆえに、事業としての伸びしろも大きい。

 最近、欧州ではコピー機などから排出されるオゾンの規制も始まったが、東洋紡のフィルターはここでも攻勢をかける。

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